こんにちは、Natsumiです。
今日は、昨日に引き続いて「フェンシング太田雄貴杯」のお話です。太田雄貴杯とは何?というかたは、こちらの記事もお読みいただけると嬉しいです。
フェンシング太田雄貴杯。 アスリートから学ぶ!「世界で戦うために」 フェンシング太田雄貴杯。スポーツアナリストがデータを徹底分析する理由。今日ご紹介したいのは、特別講演の3つ目のセッションです。こちらのタイトル、概要のセッションになります。
横山匡氏(アゴス・ジャパン代表取締役) × 太田雄貴
「グローバルを制するアスリートのマインドセットとは?」グローバル人材の育成スペシャリストであり、太田雄貴のメンターでもある横山氏。UCLA在学中には、日本人初のNCAAバスケットボールチームヘッドマネージャーとして活躍した経験もお持ちです。ビジネス・スポ―ツ双方の世界において、プロの指導者としての実績を持つ横山氏をゲストに迎え、「世界で活躍するためのマインドセット」について、太田雄貴と一緒に考えていきます。
アゴスの横山さんは、偶然にも私の同僚と30年来の付き合いだとか。お会いできてとても嬉しかったです!アスリートに関わらず、グローバル人材を目指すビジネスパーソンについて、学びの多いセッションでした。
その日できる「ベスト」をやり続ける
横山さんと太田さんは、太田さんが現役を引退するくらいからのお付き合いとか。東京オリンピック招聘の際も、横山さんに相談に乗っていただいていたとのこと。ちなみに、020年の東京オリンピックの開会式がある7月24日は、横山さんのお誕生日だそうです。
横山さんが、最初にご紹介されたのが「成功のピラミッド」。
在学されていたカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)のバスケットチームを10度全米王者に導いた伝説の名将、ジョン・ウッデンの教えとのことでした。
そもそも成功とは何か。ウッデンはこう定義しています。
『成功』とは自分のベストをつくし、自分がなり得る最高の自分を目指し続けたと自ら思える心の平静を持てることである
そして「成功のピラミッド」は15個のブロックからなっているようです。
左下と右下 のブロックが一番重要、なぜならこれが壊れるとピラミッドが成り立たないから。
左下のブロックは「勤勉さ」「努力」
右下のブロックは「情熱」
この2つを意識して、「好きなことを一生懸命やる」ことが重要である。
ガソリンを溜め続けて、走れるようにしておく
インプットは「ガソリン」を溜めること、ガソリンがないと走れないので、いつでも走れるように「ガソリン」を溜め続けておくのが重要。チャンスが来たときに、そのチャンスを取りにいける状態を作っておく。そのために「学ぶ」。
グローバル人材になるためのステップ
次に、グローバル人材についてお話がありました。まず、「グローバル人材」とは何か?ということ。
堂々と振る舞う、これが重要とのことでした。
グローバル人材になるために、この3つの要素、ステップが必要になる。
- 自己理解力
- 知的好奇心
- 意思伝達
1)の「自己理解力」は、理想を描き、「今できていること」とのギャップを見きわめること。
2) の「知的好奇心」は、ワクワクを持ち続けるということ。
3) の「意思伝達」はコミュニケーションスキル。グローバル人材というと「英語」が注目されてしまうが、じつは「英語」は要素の一部分でしかない。もっと必要なのは、「伝えたい」という気持ち。
太田さんがプライドを捨てた瞬間
太田さんはオリンピックのメダリストとして有名ですが、そこまでいくのに挫折があったとのことでした。
まず、小学校のときは背が低かったので、「自分は努力の仕方を変えなければいけない」と思ったそうです。ここが原点。
そして18歳のアテネオリンピックまで、4年間必死に練習した。でも、負けてしまった。このときに「自分にはメダルが届かない」と感じで、心が乗っていないけど、心が乗った時に走れるように練習は1年半つづけていたとのこと。
毎日練習していて、「練習」という手段が目的化していた。世界でも勝てないけど、日本の試合でも勝てない状態がつづき、「プライド」が取れた。そして、そのときのコーチに頭を下げて、もう一度やり直すことを決意。
自分の戦い方を見極めて、プライドを捨てて必死に、サイクルを回していったことで、そのあと世界ランク7位まで上がっていたとのことでした。
意識しておくべき、いくつかの言葉
横山さんから、アスリートとして人として、意識しておくべき言葉についてお話がありました。
英語のExperienceは、「体験」+「経験」という意味。
つまり、自分で「体験」したことを、自分の「経験」に変えていくこと、それすべて引っくるめて「Experience」という。横山さんは、とにかく出会った人にこだわり続けているそうです。たとえ、できないことがあっても、できていないことを認める環境も必要。あきらめさせない「おせっかい」を続けている、とおっしゃっていました。
英語のEducationと、「中から導く」という意味。
日本語の「教育」とは違う。
- Education = Educeから来ている。”中から導く”という意味。つまり「問いかけ」が重要になってくる。
- 教育=”教える”。初速は早いが受け身だと、自分で考えることが求められる大学以降はきつくなってくる。
「不安」は、自分に対しての「期待値」
この言葉もすごく刺さりました。不安でいることは悪いことではなく、期待があるから「不安」になる。そう思うと、気持ちがちょっとラクになる気がします。
体験を経験に変えるコツはありますか?
ここで、「体験」を「経験」に変えるコツについて質問させていただきました。
「振り返り」が重要、振り返る「仲間」をつくる
勝ち負けで考えると、一番は一人しかいなくなる。勝ち負けだけにはこだわらない。とにかく、1つでもなにかやってみる。そして何が足りないかを振り返る。子どもと一緒に「振り返り」の時間をつくってあげる。
どうしたらプライドを捨てることができるか?
これは太田さんへの質問であがりました。「かっこつけているだけムダ」。たとえば、船から落ちたら必死で陸を目指す、そのときに必死になっていたらプライドなんて関係なくなる。プライドがあるということは、必死さが足りないということ。
「イガ栗」器が大きくなったら、トゲが目立たなくなる
太田さんが以前言われたこと。
「イガ栗」 とは、とげのある外皮に包まれている状態の栗のこと。これを例にすると、自分の器からでている以外のものがトゲ。器が大きくなったら、トゲが目立たなくなる。
太田さんと横山さんの対談は、お互いの尊敬と信頼感があることが伝わる内容でした。自信はもちろんのこと、謙虚とのバランスが本当に重要なんだな、と感じました。
すばらしいセッションをありがとうございました!
横山さんとは長年知り合いですが、こんな素晴らしい講演をされてるとは、知りませんでした!参加したかったです。ガソリン貯めておきます!