こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみです。
昨日はNewsPicksアカデミアのイベントがありましたので、こちらについてレポートします。
Future of Work 〜これからのキャリアのつくりかた〜(ゲスト: 大宮エリー氏 )
ちなみに、こちらの「Future of Work」のシリーズは連載。昨日は最終回となる3回目でした、1回目、2回目も出ていますので、その時のイベントレポートとして、こちらのブログも貼っておきます。
NewsPicksアカデミア「実践・プロティアンキャリア」 NewsPicksアカデミア「自分のキャッチコピーを持つ」スーパーイノベーター沼田尚志氏こちらがイベントページからの引用です。
参加者と一緒に、キャリアや今後の生活を考える上でのヒントを考えていきます。
3回目には日常を綴るエッセイ作家、ラジオのパーソナリティ、映画監督や演劇の作・演出、近年は、インスタレーションや絵画作品を手がけるアート活動など、ジャンルを超えて活動を続ける大宮エリーさんが登場します。
マルチな才能に恵まれる一方で、「何でも屋」というポジションに悩んだこともあるという希代のクリエイターが、今「アート」に力を注ぐ理由とは?
ずば抜けた受容力で、あらゆるジャンルの仕事にコミットしてきた彼女ならではの、フレキシブルな生き方に迫ります。
参考記事(NewsPicksユーザーのみ閲覧可)
【大宮エリー】絵のド素人から「売れっ子アーティスト」へ
https://newspicks.com/news/3693007/
「キャリア」に関するイベントが最近多い気がする。そういうイベントがよく目に入るし、よく行っているということですが、このFuture of Workシリーズのイベントも毎回盛況だし、みんなキャリアについて悩んでいるんですね。いつもモデレーターでいらっしゃる大室先生が今回は不在。それだけは残念でした。
仕事は「思いやり」
大宮エリーさんはアーティストですが、その経歴は多彩。
- 東大薬学部出身
- 病気のお父さんを救いたいと思うも、別の道へ
- 広告代理店に7年間勤める、30歳で退職
- 「出張申請書」を提出するのに嫌気がさし、企業勤めを辞めた
- 独立というより「脱落」だった
- 週刊文春のエッセイを始めた
- 気づいたら、映画監督をしていた
- パルコミュージアムで個展。絵を描き始めた
ざーっと、こんな感じのキャリアストーリーを共有いただきました。とにかくマルチで、何でもできる多彩な才能に惚れ惚れします。
エリーさんの言葉で印象的だったのは、こちらの言葉。
仕事は「思いやり」
ここまで多彩なキャリアですが、すべてなろうと思ってなった訳ではなく、気づいたらそういう話が舞い込んできて、その目の前のことを1つ1つこなして来た。何でも仕事をいただいたら、その依頼してきていただいた方の”賭け”に乗る。ムチャぶりされても基本的には断らない。
その仕事を通じて、何か持って帰ってもらいたい。そのお弁当箱に何を詰めるか?何を持って帰ってもらうか?という考えで、仕事をしているとか。
その1つ1つの仕事を、どこで誰が見ているか分からない。作品が勝手に営業してくれるので、それでまた次の仕事が繋がっている。
仕事のヒントは、他の仕事に落ちている
この言葉も、これだけマルチにやられてきたエリーさんならではですが、私たちの日々の仕事に、この意識を持っておくのは大切だと思いました。自分に与えられた「制限」「制約」の中で、依頼者にヒアリングをしながら、それを表現していく。
例えとして挙げられていて、印象的だったのがこの「カレーとうどん」の話。
カレーを作ろうと思っていたら、うどんを作りたいなんて良くあること
それだったら、うどんを作る
どんな、うどんが良いか相手にインタビューして作ってみる
そして、うどんの横に、こっそり小鉢でカレーを乗せてみる
「思い」は伝えないと、無かったことになっちゃう
エリーさんのお仕事で印象的だったのは、パルコで開催された「思いを伝えること展」
「思い」は伝えないと、無かったことになっちゃう
この言葉は、ほんとに共感です。分かっちゃいるけど、人に思いを伝えるのは怖い、勇気がいること。たとえ伝わらなくても、相手に伝えようとすることが大切。
この展覧会のことは知らなかったのですが、エリーさんのお話を聞いて、こちらのパルコさんのWebで情報を見てみました。こちらがそこに載っていたエリーさんの言葉。
私だって、伝えられなくて、もどかしくて、臆病で、嫌になって、そんな経験があるから思うんですが、
パルコさんのWeb
伝えないと、ゼロになっちゃうと思うのです。
言わないと、なかったことになっちゃう。
ありがとう、ってすごく思っていても、それを伝えようとすることから逃げると、
私のありがとうという気持ちが、存在しない事になっちゃう。
そう思うと、そちらのほうが恐ろしくて、だから、勇気をだして伝えるのです。
たとえ、伝わらなくても。伝えようという努力をするというか。
だから、上手く伝えようとしない、ってことだと思うのです。
ありがとうをうまく伝えるにはどうしたら、と考えるから自信がなくなるわけで、
シンプルに、ありがとうをたくさん言う方が伝わるんじゃないかな、と思うんです。
ありがとうを、10回。
それでいい。
そういうことを、展覧会で表現できないかなと思いました。
展覧会では、メッセージボトルに入りこんでしまい伝わらなかった「思い」が漂流して流されている展示があったり、思いを伝える大切さが表現されていたとのこと。
「自分の軸」で横展開していく
エリーさんは多彩でマルチな活躍をされていますが、すべて「表現する」という「自分の軸」で横展開されている。
その表現方法が、広告だったり、エッセイだったり、絵だったり、バリエーションがある。
もともと夢があった訳ではなく、この「表現する」という「自分の軸」をぶらさずに、1つ1つやり続けてきたからこそ今がある。たとえば、「絵」も、バックグラウンドがある訳じゃないし、専門知識もない。でも、期待して依頼してくれる方の”賭け”に乗ったら、道がひらけた。
迷ったら、怖い方を選ぶ
まさに「絵」を始めたキッカケのお話は、これを体現されている。いきなりの大舞台でライブペインティングを依頼されて受けてしまった。そのあと、あわてて東急ハンズで画材を買って、ライブペインティング当日は、着物姿で、ワインをラッパ飲みしながら描いたという話は、なんとも斬新で、かっこよすぎるお話。「なんとかなる」という自信が感じられます。
仕事を始める前は、病気のお父さんを医療で救いたいと思っていた時期もあるとか。でも、いまは「表現する」という「自分の軸」で、絵を通して人の心を癒やしたりすることができる。手法を変えれば、自分がやりたかったことを実現できるかもしれないということ。
アナザーワールドの、入り口はどっかにあるかも。
このイベントでは、いくつかエリーさんの作品を共有いただきました。
十和田にちなんだ「十和田の冬」という作品。「自分を信じる」がテーマ。
冬の木立にはエネルギーが入っている。春になって芽吹くぞというエネルギー。「自分を信じる」がテーマの作品とのことで、そのエネルギーが表現されています。
神様が住んでいた島「久高島」で描いた絵
神様が住んでいた島とされている沖縄の久高島。ここの島の人たちと仲良くなって、何度も島に来て欲しいと誘われるようになった。あるとき、自分から行きたいと思い立って行ったら、その日は島の神聖な儀式が行われる日だった。それに参加して、飲み会でお餅を食べたらうなされた。「それは神様のくれた熱なので、下げないほうが良い」と、島の人に言われて、うなされたまま描いたのがこの絵だったとのこと。
この絵を久高島で見た人たちが、この絵を見て、バタバタと横になっていったというエピソードは、なんとも神秘的。
ハワイ島の、火山から感じる「愛」
ハワイ島に行ったキッカケは、本屋で本を探しているときに、急に「ハワイ島の本」が上から落ちてきたから。これを、「何かのメッセージかも」と思うことが大事で、それキッカケでハワイ島を訪れたとか。
ハワイ島で見た火山の赤い色は、「愛」の色と感じた。それを表現したのがこの絵。
最近は、パリ、香港、ミラノでも個展をされていて、海外進出をされているエリーさん。キッカケは、北野武さんの言葉だったとか。
『EMOTIONAL JOURNEY』という画集を出すとき、北野武さんに帯のコメントをもらい、そのときのメッセージが「とにかく、世界に行きなさい!」というものだった。このメッセージを実現しなきゃということで、海外に進出し始めたとのこと。
最後に「キャリアは作るものじゃないのかも」。自分が死ぬ時に「どんな感情でいたいか」ということを意識している。エリーさんは、余暇を大切にしていて、「縁側でゆっくりとしながら笑っていたい」という言葉で、イベントは終わりました。
素敵なお話、ありがとうございました!
大宮エリーさんは、2019年6月15日まで入場無料の個展をされています!詳細はこちら。
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