最近もコミュニティづくりについて、良く考えています。
昨日は、こちらのイベントを視聴していました。
ビジネスコミュニティの仕掛け人である河原あずさんと、日本最大級のイベントプラットフォーム「Peatix」創業メンバーである藤田祐司さんの共著である『コミュニティづくりの教科書』。
この本の発売を記念したイベントです。
ゲストは、コミュニティマーケティングを知り尽くす実践者 DeNAの宮本昌尚さん。
『コミュニティづくりの教科書』を私も拝読したのですが、企業で「コミュニティを作って」といきなり言われたビジネスパーソンが、ゼロからどう作り上げていくかの実践、ノウハウが詰まっています。
コミュニティづくりに欠かせないイベントの実践ノウハウも、惜しみなく公開されています。あずさん、藤田さんが主催するイベントがなぜ心地良いか? の裏側には、いろんな気遣いや準備があることが分かります。
「コミュニティは種芋」
このイベントで話があって共感したのは、「コミュニティは種芋」という宮本さんの喩え。
- 育つのに時間がかかる
- 種芋があるから、他の芋が育つ
- 種芋は食べちゃダメ
種芋とは、こんな感じのイメージです。
今回のイベントで話されているコミュニティとは、「ビジネスコミュニティ」。
つまり、ビジネスを伸ばすための手段としてのコミュニティ。
企業のマーケティング部門などが、ファンづくり、育成などでコミュニティづくりをするケースが増えています。
私も同じような経験があるのですが、イベントやコミュニティづくりに費用をかけて投資をすると、その効果は?ROIは? ということが求められる。
『コミュニティづくりの教科書』にも書かれているとおり、ここでのKPIの設定が大切になる。
「種芋」なので、
ビジネスの売上は?
種芋(コアファン)のLTVは?
LTVとは、顧客が一定期間内にその企業の商品やサービスを購入した金額の合計のこと
というKPIを設定して、短期的な効果を狙ってしまうと潰れてしまう。
これを、「種芋を食べてしまう」と表現されていました。
ありがちなのは、せっかくの種芋(コアファン)に直接、製品・サービスを売りつけてしまうようなこと。
そうではなく、種芋をきっかけに、他の芋(ファン)が育つので、その種芋は大切にじっくり扱っていかなければならない。
おもしろかったのは、Peatix 藤田さんのお話。
「Peatixでは売るなと言っている。使ってくれるユーザーさんにギブをする、ギブファーストの考え方をしている。なので、人と人とをつなげて、Peatixの話を一切しないコミュティマネージャーもいる。」
ここまで割り切れているPeatixさん、すごいです。
最初は「手触り感」から
じゃあ、コミュニティづくりは何から始めればいいの?
宮本さんは、カーシェアリングサービスのコミュニティマーケティングを担当されていますが、まずは身近なところから小さなイベントをやったそうです。
この立ち上げフェーズのときは、とにかくコストを低く低くして、ROIを求められないような設計から始めることが大切。
ざっくり言うと、
ROI = 効果 / コスト
なので、コストを最小限にする。
宮本さんの例では「子育て世帯のコミュニティを作りたかったら、まずはバーベキューから始めてみた。」とのこと。
種芋になりそうな人を集めて、まずは「手触り感」を確認する。
- その人がどういう生活スタイルなのか?
- どういうことに課題を持っているのか?
- どういうことに興味を持っているのか?
リアルな人とのやり取りを通じて、じょじょにコミュニティとしての形をイメージしていく。それからイベントや、SNSでのやり取りなどを通じて、少しずつコミュニティで生まれた良いことを拾っていく。
- 商品のPRのときに、インタビューさせてもらい記事にする。
- いっしょに商品開発をする。
- 商品のPRのときに、SNSで拡散してくれる。
この「手触り感」から、コミュニティの形が見えてきたら、具体的なKPIを考えていく。これを、ミルフィーユのように積み上げていく。
そのときのフレームワークとして、「コミュニティ・マーケティング・ミックス」がご紹介されていました。
図だけ抜粋します。
マーケティングだけでなく、PR、アライアンス、開発、CS、人事などの価値もあるので、ここからどういうKPIが考えられるか、ディスカッションする。
コミュニティの文化をつくるVECTORという考え方
コミュニティづくりには、文化をつくることが大切で、それには「VECTOR」というフレームワークで考える。
こちらが宮本さんの書かれたnoteです。
このイベントの中でも、なんと即興で、シェアオフィス事業(たとえばWeWork)のVECTORを発表されていました。
めちゃくちゃ分かりやすくて、勉強になりました!
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