こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみです。
今日は、昨日に引き続きこちらのイベントレポート(続編)となります。
こちら引用いたします。
「ビジネスは希望を創る」というコンセプトのもと、NewsPicksからスピンオフした無料のタブロイド誌『HOPE by NewsPicks』Vol.2のイベントを開催します。 読者投票により、特集「“体温”のある経済競争」に登場したなかで、もっとも人気のあった登壇者を招いての無料イベントとなります。
本イベントページより
今日お伝えしたいのは、こちらの第2部のセッションです!
第2部は、「新しい市場に血を通わせるには」と題して、ポケットマルシェ代表 高橋博之さんとPOLIPOLI 代表 伊藤和真さんとの対談です。
物語による共感で、農家や漁師の生産現場と消費者の食卓をつなぐ「ポケットマルシェ」。そして、「政治にエンターテインする」ことを掲げ、有権者と政治家が互いに信頼をもってコミュニケーションをできるコミュニティプラットフォームで、6兆円とも言われる政治市場に新たな経済圏を築こうとする「Polipoli」。 生活と政治・経済を、システムでつなごうとすうる両代表は、どんな希望を抱いて、何に心血を注いでいるのでしょうか。ざっくばらんに語ってもらいます。
本イベントページより
「ポケットマルシェ」とは?
全国の農家さん、漁師さんと会話しながら食材を買えるスマホアプリが「ポケットマルシェ」
私は東京生まれ、東京育ちで、両親の実家も首都圏にありました。私みたいに「ふるさと」を持っていない人は、「ふるさと難民」。食の生産者のことを知らないんですよね。
何でも安く手に入れようと思えば、手に入る時代になったけど、食の生産者や、どのような想いで作られているかの裏側を知ることで、食の楽しみ方が変わると思っています。
ここに大きな課題感を持って取り組みをされているのが、高橋さんです。高橋さんの本を読み、TEDで高橋さんのプレゼンを観て、前からお話をお伺いしたいと思っていましたので、この講演はすごく楽しみにしておりました。
こちらがTEDの動画です。
私もこの高橋さんの活動に共感して、宮崎県と共同で、食の裏側を知る”食塾”ツアーを以前開催したことがあります。生産者と消費者が直接コミュニケーションすることで、新しい食の楽しみ方ができる。まさに自分が体験して、それを感じました。
消費者は、生産者の顔が見えるようになったけど、
生産者は、消費者の顔が見えなかった。
生産者と消費者を「かき混ぜる」
生産者 ⇔ 消費者のコミュニケーションをできるようにしたのが、「ポケットマルシェ」。これを生産者と消費者を「かき混ぜる」ことが大事という表現をされているのが印象的です。
この高橋さんのコメントは、心に刺さりました。
ふるさと難民にも、「ふるさとパスポート」を。
私も「ふるさと」欲しいです。生産者や現地の人と触れ合った宮崎県や、仙台は私にとっては「ふるさと」みたいなもの。この想いは大切にしたいです。
「PoliPoli」とは?
あなたの課題を 政治家とみんなと 解決するアプリ 「PoliPoli」。ちなみにPolitics(政治)からPoliPoliのサービス名が来ているとのこと。
先ほどの「食」もそうですが、「政治」も生活に密着しているので、どうしても自分ごとにならない。政治との距離が遠いというのを感じます。
この課題をアプリで解決するのがこのサービス。こちらの2点がポイントとのことでした。
- 日本の社会課題を解決するためのサービス
- 人々の共感を可視化するサービス
自分たちが日々抱えている課題を、直接政治家に投げかけられる。そして本当に良いことをしている政治家の信頼をスコア化できるとのこと。
正直、このHOPEのタブロイド紙を読むまで、このアプリの存在を知りませんでしたが、すごく興味深いサービスです。
政治家に直接声が届く
たとえば「渋谷の喫煙所」の問題が、このアプリで上がって、それを政治家に提言して改善に至ったなどの事例が出てきているとか!
神奈川県とPoliPoliが連携して、キャンペーンを実施するなど、自治体とのコラボも出てきているとのことです。慶應大学の学生をしながら、九州大学で「起業論」を教えているという伊藤さん。
もともと俳句が好きで、俳句のプラットフォームを作ったという話も熱かったです。ちなみにこのプラットフォームは毎日新聞社に売却後、PoliPoliを起業されています。
ここからは、いくつかキーワードに沿ってディスカッションがされました。
「地方 × 都会」
まずは、「地方」と「都会」というテーマ。これについての高橋さんの考えが話されました。
- 共同体を重視する、風通しの良くない世界 = 地方
- 個人を重視する、風通しの良い世界 = 都会
高橋さんも、岩手の花巻にいる自分と、都内にいる自分は違うとのこと。どちらかにいるだけではなく、「行ったり来たりすれば良いと思っている」。先ほどの話で「かき混ぜる」ことが重要ですね。
複数のコミュニティに身を置く
関わるコミュニティによって、価値観、価値基準が変わってくる。1つのコミュニティだけだと合わせるしかないが、複数のコミュニティに所属していると、生活の質、精神的豊かさが増える。
この考え方に加えて、「自然の中に身を置く」時間も作ると良い。
伊藤さんも、「地域だから出来る産業がある」。そして「インターネットがすばらしいところは、オンラインサロンなどで地方と都会で繋がれること」。この話は本当に最近よく実感します。これだけ遠方の人と繋がれるようになった時代に生きれているのは幸せです。
政治家は、「自分ごと」化できる課題を話すべき。
政治とか食は、身近なものなのに、みんな「他人ごと」になってしまっている。ブーメランで自分達に返ってくるので、「自分ごと」化が大事。
エンタメ化する
インターネットによって、いろいろなことが透明化されてきた。「素敵な政治家さんの魅力を伝える」ことがしたいという伊藤さん。そして「農家さんの魅力を伝えることがしたい」という高橋さん。
いかにエンタメ化して、「自分ごと」化してもらうか、ということを考えていることが伝わってきました。
「通貨 × 体温」
次に「通貨」そして、それに「体温」を通すという話。
コミュニティ内の「通貨」
PoliPoliは、政治家やユーザーの「信頼」をスコア化しています。この「信頼」をコミュニティ内で使える「通貨」にしてしまおうという試みをされています。
たとえばコミュニティ内で良い発言をするなど、活躍したユーザーには信頼スコアに基づいて「通貨」が渡され、反対にコミュニティを荒らすようなユーザーはスコアが下がる仕組み。
政治家への「投げ銭」もできるようになってくる。このような「通貨」のやり取りが活発になると、政治家⇔ユーザーのやり取りが増え、コミュニティができてくるという考え方のようです。
目指す世界に向けて「通貨」の基準を作る
たとえば、「祭りコイン」。その「祭り」の”目指す世界”に共感した人だけが、その「祭り」でコインを使える。これは円ではなく、そのコミュニティ内だけで使える「通貨=コイン」になる。
今までは、たとえばFacebookのプラットフォームでは、
→ 株主が所有者になる
→ でも使っているのはユーザー。「このユーザーに利益がいかないのは、おかしいよね?」全員が株主になるという発想が「仮想通貨」であり、民主化という考え方。
円以外の選択肢ができてくると、個人の生き方が変わってくる。
未来では、「その人のお財布をみたら、その人のキャラが分かるようになるかもしれない」という話も面白かったです。たとえば、食(ポケマル)の通貨や、政治(PoliPoli)の通貨が多いとか。この時代になると、そもそもお財布という概念が変わっていますね。物理的なものではなく、すべてスマホの中にあるイメージです。
「起業 × 立候補」
次のテーマは、「起業」と「立候補」。「どっちが大変?」という話になりました。
違う困難はあるけど、やっていることは一緒と言う高橋さん。
「この指とまれ」方式
高橋さんは、自分の”目指す世界”を「この指とまれ」という感じで、きちんと示している。そして、「この指とまれ」で指をブラさず、信念を持って活動しているから、それに共感する人が集まってくる。これを大事にしているとのことでした。
もともと政治家をされていた高橋さん。「起業」との 一番の違いは、「政治家になった後」。どうしても玉虫色の結論になってしまうとのこと。
「起業」は、一点突破ができる。短期間でワッと成果を上げられるのは違いに感じるとのことでした。
「ツルツル × ゴニョゴニョ」
次に高橋さんが最近推しているというキーワード、「ツルツル × ゴニョゴニョ」。
ツルツルとは「なめらかな社会」
どんどん中間産業がなくなり、楽で快適になっている。マンションのソファに座り、スマホで何でも届けてくれる世界が実現できている。
ゴニョゴニョとは「人との関わり」
五感と感動を共有できる人がいることは大事。ツルツルの世界だけでは、これができなくなってくる。やっぱりゴニョゴニョすることは大事なので、これを意識していく必要があるとのこと。
「ツルゴニョ」のバランスを取る
ゴニョゴニョの”人との関わり”を、ツルツルとした”なめらかな社会”でできるようにするというバランスを意識されている。
まさにポケットマルシェでやっている世界もそうですし、PoliPoliでやっている世界も同じですね。
「可視化 × 価値化」
最後に話されたのが、こちらのテーマ。
しっかり未来を作る政治家の活動を「可視化」したい。これが未来にしっかり投資できることに繋がると言う伊藤さん。
PoliPoliのスコア化(可視化)では、今後プロユーザーに発言権を持たせるなど、不正にスコア化されないような仕組みも整えていきたいとのことでした。
物語の「可視化」をする
ポケットマルシェ(ポケマル)も、農家やユーザーを「スコア化」して、ランキングにするなど、取り組みを進めているとか。
「何の可視化か?」というと、それは「物語の可視化」であるとのこと。流通に乗せてしまうと、この物語が無くなってしまう。
この 「物語」を多く語った人が、可視化できる世界を作りたい。「ポケマル国を作りたい」という熱い想いが語られていました。
ここの例で出てきた「台風」の話が面白かったです。
ポケマルでユーザーがウニを買う → 台風なので、潜れないという漁師からのコメントが届く → ユーザーから「台風だったら潜らなくていいです」というコメントが届く
普通にAmazonで商品を買ったのだと、届かないなとイライラしてしまうと思うのですが、たしかに生産者の事情や想いが分かると、この考え方も変わってきますね。
「物語」を通訳する人
ポケマルで良く言われるのが、「たくさんあって、何を選んで良いかわからない」という意見だそうです。
これについては、「物語」を通訳、編集する人の存在が重要になってくるとのこと。C to C to C の世界になってくる、たとえば「気仙沼のものだけをおススメる人」がでてきたり。
アクションする人を増やす
伊藤さんの一番の課題は、「政治家の数」だそうです。アクションする側をまずは増やすこと。 いかに政治家を巻き込むか、1年間くらい良いコミュニティを作ることに注力したいとのことでした。
ついつい記事が長くなってしまったのですが、この対談は「共感」や「通貨」そして、「コミュニティ」に対する考え方が聞けて、すごく嬉しかったです。ありがとうございました!
つるごにょ、、わかりやすいですね(笑)