こんにちは、Natsumiです。
もはやAmazonは生活の一部といっても過言ではない。
私もAmazonプライム会員ですし、Kindleユーザーで読み放題も入っています。
IT企業に勤めている身としては、Amazonは企業向けの最大のクラウドベンダー、
パートナーでもあり、競合でもあります。
創業20年で、時価総額が約78兆円。
あまりにもビジネスが急成長しているので、その全貌がつかめない。
この本では、元マイクロソフト社長である成毛さんが、いまのAmazonのビジネス、経営を解明しています。
Amazonを知ることは、未来の経営学を知ること、です。
『amazon 世界最先端の戦略がわかる』成毛 眞
この本を、下記3点でまとめます。
1. 「地球上で最も豊富な品揃え」
2. 圧倒的なプラットフォーム
3. キャッシュフロー経営
1. 「地球上で最も豊富な品揃え」
とにかく事業範囲が広い、もはやネット通販だけにとどまらない。
投資をつづけ、事業を圧倒的なスピードで拡大する。
企業のミッション「地球上で最も豊富な品揃え」をひたすら追求している。
個人向け:
・ネット通販(小売Eコマース、全売上の半分以上)
・音楽、動画などのコンテンツ配信 (プライム会員向け)
・リアル書店のアマゾンブックス
・無人店舗のアマゾンゴー
・ハードウェア販売(Kindle、AIスピーカーのエコー)
企業向け:
・マーケットプレイス(AmazonのEコマースで売れる)
・金融事業(マーケットプレイス出店企業への融資)
・クラウドサービス (AWS、最も収益が高い)
2. 圧倒的なプラットフォーム
「地球上で最も豊富な品揃え」を実現するのは、プラットフォームが必要である。
1) マーケットプライスを拡大するFBAと広告プラットフォーム
どんな企業でも、Amazonのインフラを利用できるのが、FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)
商品の保管、注文、出荷、決済、配送、返品まで、すべて代行してくれる。海外展開もカンタンにできる。
マーケットプレイスでの商品が、自社商品の数を上回った。
出店者は、Amazon内に広告もだせるのがメリット。
2) データプラットフォーム
マーケットプレイスの購買データも収集。
購買履歴によりリコメンドや、価格競争力のある価格設定ができる。
3) 物流プラットフォーム
圧倒的な物流網と倉庫を持っている。ここが「場所貸し」の楽天とのビジネスモデルの違い。
物流を強化するために、KIVAというロボット企業もM&Aしている。
メリット:
大量に仕入れ、安くできる
別の種類のものを一緒に届けられる
物流サービスの品質を保てる (翌日配送など)
デメリット:
倉庫も在庫管理も必要、固定費がかかる
初期構築に時間と費用がかかる
4) プラットフォームを支えるテクノロジー
上記のプラットフォームを支えるのが、クラウド、AI、IoT(センサー)などのテクノロジー。
自社で使っていたクラウドをAmazon Web Services(AWS)として企業向けに展開し、もっとも高い収益をあげている。
3. キャッシュフロー経営
Amazonはこれまで株式配当を一度もしていない。
じつは、純収益が圧倒的に少ない。(2017年純利益が、約30億ドル。トヨタの8分の1)
その理由が「キャッシュフロー経営」であること。
・本業で稼いだ営業キャッシュフローを、投資に回す(設備投資、M&Aなど)
・キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)がマイナス
→マーケットプレイスで売ったときの「預り金」が効いているのでは。
※キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とは
仕入れた商品を販売し、何日間で現金化されるか?
小さければ小さいほど良い、手元にキャッシュを長く持てる
一般的なECでは、10-20日。
「帝国」を築いているAmazonですが、どう戦うか?というより、
どうAmazonと共存していくか?が求められます。これからも目が離せないですね。
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