こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
みなさんは、「マザーハウス」というバッグのブランドを、知っていますか?
「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という目標を掲げ、途上国で生産したバッグやジュエリーを販売している「マザーハウス」。
私はぜんぜん知らなくって、最近この本をおススメいただき、知りました。
タイトルを見たときに、「まさに! 今私が求めていたのは、これ!」 と惹かれて、一気に読んでみました。
「サードウェイ」という考え方
タイトルにある「サードウェイ」というのは、「第3の道」という意味。
本の最初に書かれている、この言葉がすべてを表しているので、引用させていただきます。
男、女。右、左。西、東。先進国、途上国。都市、農村。論理、創造。組織、個人。家庭、仕事。そして理想と、現実。
世の中には、ほとんどすべてのものごとに、二つの軸が存在する。
言葉を換えると、すべてのものごとには裏も表もある。
ときに、これらは反発する。〝両極〟として対立のポジションをとり、ものごとが前に進むことを阻む。
対立の解決のために、多くの人が悩む。
結果、導き出されてしまう答えは、「足して2で割る」といった妥協点だったり、あるいは「どちらかだけを取る」「どちらも捨てる」といったあきらめだったりする。
でも。
本当にそれだけが答えだろうか?
なぜ世の中はこうも、二つに分断されているんだろう。一方のポジティブは、もう一方のネガティブを生み出さなければいけないのだろうか?
私は、そんなとき、「第3の道─サードウェイ(Third way)」を歩んでいく。
まさに、ほんとにこれ、と思いました。
私の周りの例でいうと、
- 男性⇔女性 :「女性活躍」という文脈で対立してしまう
- 専業主婦⇔ワーキングマザー : 対立したくないのに、対立構図が生まれることがある
- 子育て世代⇔子育てに関係ない方々 : ベビーカー問題など
数え切れないほど、毎日対立したくないのに、してしまうことは多い。だれかと対立したいのではなく、そして妥協したくもない。
専業主婦⇔ワーキングマザー の話でいうと、なぜかどちらも辛い世の中。だったら、どちらも、みんなもハッピーになる道を探りたい。
そんな考え方と、著者である山口絵理子さんのこれまでの葛藤と、そのなかでやられてきた「第三の道の見つけ方」について、ぎゅっと詰まった本になっています。
そして、この本の出版元はハフポストブックスなのですが、ハフポストで山口絵理子さんの全13回の連載記事が載っています。
編集長の竹下さんのツイートのリンクから。
この連載、すごいです。
本の内容が、ほぼほぼ全13回の記事として、それがさらにウェブメディア用に編集されて載っている!
え、いいんですか?
こんなに余すことなく、本の内容を記事にしちゃって、ほんとにいいんですか? という感じです。
この『サードウェイ』を一気に読んで、そのあと山口絵理子さんの人間性と考え方に、すごく惹かれました。本も何冊もだされていて、最初の著書である『裸で生きる』では、「マザーハウス」の創業までの自伝が書かれています。2019年、いやこれまで読んだ本の中で、一番心を掴まれた本になりました。
話を『サードウェイ』に戻して、このなかに書かれている、心を掴まれた言葉を引用させていただきます。ハフポストさんの記事のリンクも貼っておきます。
大きなビジョンと小さなゴール (ハフポスト連載記事1話)
ゴールと現在地の間に、「小分けしたゴール」を準備する。
一つの「小分けしたゴール」を達成したら次を探す。
設定して、達成を目指す。
そうやって少しずつ進んでいく。
私には大きなゴールしか見えていなかったのだが、そこにつながる道にはたくさんの交差点もあり、歩道橋もあり、右折左折もある。
「小分けしたゴール」たちを道にきちんと散らばせよう。最初の交差点にはもしかしたらもう立っているかもしれないな。
そう思えると、自分でもエネルギーが湧いてきた。つまり、経験から得た学びだ。
すべての会社は世界に貢献している。 社会起業家という言葉がしっくりこない理由 (ハフポスト連載記事2話)
企業が「よりよい社会」に対してコミットする。
本業のビジョンとして、「よりよい社会」とは何かを描く。
それが、人間が次に進むべき
新しい資本主義の形ではないだろうか。
本業とは別の事業ととらえられがちな「CSR(企業の社会的責任)」という枠組みではなく、「本業のビジョンとして」描くことが大切だ。
共感してくれるお客様の「円の中」。そこから敢えて一歩、踏み出してみる (ハフポスト連載記事3話)
ともすると、企業の創業期には、「共感してくれるお客様」の「円の中」に会社が留まってしまうことがある。それは心地よく、周りは味方ばかり。
けれども、本当にビジョンを達成したいならば、共感してくれるお客様を大切にしながら、そこからぐぐっと大きな外周へ出る勇気と覚悟も必要なんじゃないかなぁ、と思う。
そこで初めて個人商店から組織へ、単品からブランドの世界観へ、ぐるぐると「らせん階段」をのぼることができる。ときどき痛みを伴うが、社会へ発信したいメッセージがあるならば、避けてはいけないのかもしれない。
「どの土俵で戦うか」がとっても大事。 百貨店への進出前に副社長が私にかけた一言 (ハフポスト連載記事4話)
さらに大事なのは、「戦う土俵の選択」だ。
これは、強調しすぎても、足りないぐらい「とっても大事なこと」。一歩間違えると、「がんばっても報われない」現象を生むからだ。
「今自分がいる舞台の選定・設定は、本当に正しい?」。コンフォートゾーン(安全地帯)から飛び出して競争現場に出ていくことは、自らの学習機会を得ることと同義だ。そんな風に最近は思っている。
「問題解決」じゃなくて「科学反応」
私は「サードウェイ」の考え方は、「問題解決」だと思っていました。でも、この本では「問題解決」じゃなくて「科学反応」として考える、と書かれていて、その通りだなと思いました。
「掛け算」して、「科学反応」を生み出していくということ。
この考え方についての言葉を引用します。
常に心がけてきたことは、「かけ離れたものだからこそ、組み合わせてみよう。離れていた二つが出会ったことをむしろ喜び、形にしてみよう。これまで隔たりがあった溝を埋めて、新しい地をつくろう」。つまり、バランスを取るのではなく、新しい創造をする思考だ。
問題解決よりも、出会ったことによる新しい化学反応を生み出そう、そんな積極的な姿勢が、夢を追い続けさせてくれた。
マザーハウスでも、いっぱい「掛け算」があって、化学反応が生まれている。
この「vs(対立)」➜「✕(掛け算)」に変えていく、という考え方がすばらしい。
- 「社会性」 ✕ 「ビジネス」
- 「デザイン」 ✕ 「経営」
- 「個人」 ✕ 「組織」
- 「大量生産」 ✕ 「手仕事」
- 「グローバル」 ✕ 「ローカル」
山口絵理子さんの著書も一気に読んで、書ききれない感じです。またブログに書いていきたいと思います!
『サードウェイ』これから生きていくうえで、大事な本になりました。
ありがとうございました!
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