タテ割り社会を「横串」していく『編集思考』

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。

昨日は、こちらのイベントに行ってきました。
NewsPicks Studios CEOでありNewsPicks初代編集長を務めた佐々木紀彦さんの新刊『編集思考』のイベントです。

日本の縦割り社会、文化に違和感を抱えているのは、ほとんどの人がそう思っているんだと思います。でも、どうやってその違和感に向き合っていけば良いか分からない。そこについての考え方として、タテ割り社会を「横串」していく『編集思考』があります。

今すごく大切にしたい考え方だし、NewsPicks好きにはたまらない一冊でした。

こちらがイベント概要ページからの引用です。

モノがあふれた時代、今ビジネスパーソンにこそ必要な「編集思考」とは何か? 現在NewsPicks Studios CEOでありNewsPicks初代編集長を務めた佐々木紀彦が、17年間の編集者としての経験をもとに体系化した、新たな価値を生み出す思考法を伝授します!
当日は書籍の内容の詳しい解説だけでなく、実際に佐々木が参加者の皆様から投げられる相談に答える時間を設け、参加者の皆様にも『編集思考』を実感していただきます。

この『編集思考』のエッセンスが見られる動画や記事があるので、それも合わせて貼っておきます。

30秒で凝縮した動画。

『異質なモノをかけ合わせ新たなビジネスを生み出す編集思考』これはメディア業界だけのものではなく、あらゆるビジネスパーソンが抑えておきたい思考であるということ。

MOOCというNewsPicksが、今年始めた数分でエッセンスが分かる動画シリーズがあるのですが、通常有料のものが、YouTubeでも観られるようになっています。

タテ割り社会を「横串」していく「編集思考」

この本をそもそもなぜ書かれたのか?その理由は、本のはじめに書かれていて、それがこちらの記事にも公開されています。

https://twitter.com/NP_academia/status/1182287773438332928?s=20

日本社会にある「タテ割り病」に問題を抱えている。

どんな「タテ割り病」があるかと言うと、

組織本来の目的を見失い、全体よりも自己の利益を優先してしまうこと

  • タテ割りの人的ネットワーク(会社、学校など)
  • タテ割りの教育(ダブルメジャーを許されていないなど)
  • タテ割りのカルチャー(終身雇用、年功序列、労働組合など)

と書かれています。

これを横串していくのが、「編集思考」。

「さよなら、おっさん。」に込められた想い

2018年に炎上気味だった「さよなら、おっさん。」の広告についての想いも、この本で書かれていました。

このタテ割り社会の中で、

  • 古い価値観
  • 凝り固まったルール

に縛られてしまっている。それを特定の人ではなく「おっさん」と表現されています。この「おっさん」から脱却して、新しい価値観、ルールをつくっていく考え方が必要になるということ。これが「編集思考」。

「さよなら、おっさん。」 というワードが刺激的だったことと、分断を生むんじゃないかというのが、賛否両論だったのですが、個人的には好きです。こういうのを出せるのがNewsPicksらしくて、好きです。

「編集思考」の4つのステップ

イベントでは、本のなかで書かれているコアの部分である、編集思考の4つのステップについて話がありました。

こちらの4つのステップです。

  1. セレクト(選ぶ)
  2. コネクト(つなげる)
  3. プロモート(届ける)
  4. エンゲージ(深める)

それぞれのポイントについては、本に詳しく書かれているのですが、「コネクト」の部分については、いろんな掛け合わせがある。

「古いもの」 ✕ 「新しいもの」とか

「経済」✕ 「文化」✕「テクノロジー」とか

いくつか例も出されていて、

  • 「ホテル」 ✕ 「本」 = ブックホテル「箱根本箱」
  • 「オフィス」 ✕ 「コミュニティ」 = WeWork
  • 「東洋」 ✕ 「西洋」 = スティーブ・ジョブズ
  • 「メディア」 ✕ 「学校」 ✕ 「社交場」 =福澤諭吉

などなど。

落合陽一さんは「経済」✕ 「文化」✕「テクノロジー」ができる希少な人材。そして、その学びの遍歴について、本で書かれていたのも印象的です。

そして、佐々木さんがイベントで強調されていたのは、「プロモート」の部分。

幻冬舎の編集者であり、NewsPicks Booksの編集者である箕輪さんは、この「プロモート」の天才。これまでの編集者は、ここはあまり強くなかったのが、SNSなどを通じてこの「プロモート」ができることが大切になる。だからこそ、箕輪さんが手掛けた本は、ハズレがなく、いつもヒットする。

『君の名は。』のヒットが有名で、「日本で一番売れっ子の映画プロデューサー」 と言われている川村元気さんも、この「プロモート」がすばらしいとのことでした。

「プロモート」ではThought(想いやコンセプト)が重要になってくるとのことでした。単に流行りのものを取り入れるとか、流行りのものとコラボするのではなく、どんな想いでやるのか、それをどう受け取ってもらいたいかをイメージすることが大切だなと思いました。

このブログの前のほうに貼った動画や記事を、SNSで発信していくのも、この「プロモート」の部分を体現されています。

NewsPicksはニッチ、エッジ、キャッチー

私はNewsPicksが好きなのですが、なんで好きなのか、この本を通じて改めて認識することができました。

これまでのメディアは分断されていて、それぞれの「村」ができていた。イメージとしては、書籍村、マンガ村など、それぞれが孤立している状態。

それがネットが出てきたことによって、つながるようになってきた。

それぞれのメディアが、「ネット ✕ コミュニティ」でつながってきて、新しいサービスやモノが生まれている。

NewsPicksは、このネットでつながったメディアの新しいあり方を追求していて、ここにも「編集思考」が活きている。

NewsPicksには、「3つの顔」があるとのことでした。

  • プラットフォーム : いろんな記事をまとめて発信するプラットフォームとしての顔
  • ソーシャル : コメントができるなどのソーシャルな顔
  • コンテンツメーカー : オリジナルなコンテンツをつくる顔

NewsPicksは、このネットでつながったメディアの新しいあり方を、いつも模索しながら、アップデートを続けていると感じます。

もともとスマホメディアという印象でしたが、書籍も新しく出版社をつくったり、映像コンテンツも「WEEKLY OCHIAI」や「The UPDATE」以外にも番組が出来ているし、いろんなメディアを横串して、アップデートしています。

佐々木さんがNewsPicksで大切にされているのが、

「ニッチ」 ✕ 「エッジ」 ✕ 「キャッチー」ということでした。

月額1,500円のサブスクリプションにしていて、ユーザーとの関係をいかに長くつづけていくか、その肝となるのがこの3つ。

  • ニッチ: マスを狙いすぎない
  • エッジ:でも、人の心に深く刺さるコンテンツ
  • キャッチー:最初は一部の濃いファンができて、じょじょに広がっていく

「さよなら、おっさん。」の広告も、意見が真っ二つに分かれたということですが、まさにこれがニッチ、エッジ、キャッチー。みんなに受け入れられるマスを狙うのではなく、いかに深く心に刺さるかということ。

このイベントでは、「Live相談会」というのがあって、参加者のそれぞれの課題に、佐々木さんが答えていきました。他業界や、自分以外の人の話を聞くのがおもしろかったのと、ここでも佐々木さんの編集思考が効いていて、勉強になりました。

長くなってしまったので、私が質問したことは、また改めて書きたいと思います。

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