こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみです。
昨日は、青山ブックセンターで開催された、こちらのイベントに参加してきました!
『すごい準備 誰でもできるけど、誰もやっていない成功のコツ!』刊行記念
「ヒットコンテンツの創り方」
栗原甚 × 佐々木紀彦 トークイベント
才能やセンスがなければ、ヒットコンテンツは生み出せないのか?「いや、才能やセンスより準備のほうが大事」と説くのが、『伊東家の食卓』『ぐるナイ』『行列のできる法律相談所』など、数々のヒット作を創ってきた日本テレビ/演出・プロデューサーの栗原甚さん。
なぜそれほど準備が大事なのか?「すごい準備」とはどんな準備なのか?周到な準備によってヒットコンテンツをプロデュースする技術を、NewsPicks StudiosのCEOを務める佐々木紀彦氏とのトーク形式で披露する。
イベントページより引用
ちなみに栗原さんの著書『すごい準備』は、こちら。
栗原さんは、プロデューサーであるだけではなく、脚本も手がけるとのことで、そのうえでここまで徹底した準備をしているのが、驚きでした。
「準備を制するものは、人生を制す」というのがモットーとのことです。
ドラマの脚本は、CMをどのタイミングで入れたら盛り上がるか?ということも計算して、脚本内に「CM入り」の記載があるとか。ここまで徹底したやり方をしているのは、三谷幸喜さんくらいとのこと。
テレビと同じように、この徹底したこだわりは、今回の本作りでも一緒。紙はできる限り軽くて、でも肌触りがいいもの。その他、表紙のデザインやタイトル、フォントの大きさなど、やり直しを何度も何度も重ねて、今に至る。
そんなヒットメーカーの栗原さんから、ヒットコンテンツの普遍的な法則についてお話がありましたので、それについてまとめてみます。
出演者が”本気”になれること
栗原さんが 企画・総合演出・プロデュースした伝説の人気番組『¥マネーの虎』のお話。 なんと、日本で放送終了直後、海外へ輸出。 世界35ヵ国以上にフォーマット販売され、現在184の国と地域で放送されているとか。
この番組で一番意識したのは、どうやったら出演者が”本気”になれるか?ということ。出演者が”本気”になれば視聴者に伝わる。あくまでも番組制作者と出演者は対等の関係で、お願いして出演者に無理やり出てもらうものではない。「嫌だったら帰ってもらってもいい」というスタンスでやっていたとのこと。
本気にさせるために、現金を目の前に置く。
それまで、それはテレビとしてはタブー的なこと。でも、それをやることで、出演者がお金を得るために本気になる。
この言葉が分からなくても面白い、という分かりやすさを徹底的に意識している。ターゲットとしては、中学2年生にウケるくらいのものであれば、万人にもウケる。
人を惹きつける”見せ方”
『¥マネーの虎』 は深夜1時からの番組。
どうやったら寝かせずに観てもらえるか?
その中で、キーとなったのが音。
どんな音がしたら、人は気になるだろう?たとえば、救急車の音や、赤ちゃんの泣き声など。
それで採用したのが、踏切の音。
しかも、踏切の前で、女子高生がお金を持っていたら面白いよね、みんな気になるよね、ということを考えていく。
どうやったら、テレビ欄で目立つことができるか?
パッと見で気になること、分かりやすいこと。それを突き詰めたときに「¥」マークをタイトルの頭に付けたいと思った。
でも、新聞は、タイトル記号を使うのはNGだったとのことで、1件1件、新聞社を周って交渉していった。この泥臭い調整を、積み重ねることが大事。
徹底した”ユーザー視点”の調査
ヒットを生み出すには「才能やセンスより準備のほうが大事」 と言い切る栗原さん。徹底した”ユーザー視点”の調査をされているとのこと。
本のタイトル決め
たとえば、今回の本のタイトルも、30個ほどのタイトル案をだして、その中でどれが読みたいかのベスト3をユーザーに調査する。当初は、『熱量は、武器になる』という別のタイトルを考えていたが、ユーザーには暑苦しいと思われたので、一番反応が良かった『すごい準備』になった。
「伊東家の食卓」での、墨を落とす裏技
日々の生活で使えるいろんな裏技を紹介する番組「伊東家の食卓」で、墨を落とす裏技を紹介することになった。
どういうシチュエーションで墨を落としたいと思うか?を調査したとのこと。その中で一番多かったのは、年賀状を書くときに、墨がはねてしまって、それを落としたいというシチュエーション。
これを検討していたのは、ちょうど年賀状が終わってしまったくらいの時期だったけど、この調査結果を踏まえて、この番組の放送を次の年賀状を書く季節に変更する徹底ぶり。
ちなみに、『すごい準備』の本タイトルが決まったときも、秋に予定していた出版時期を、一番人が準備したいという気持ちが高まる新生活のシーズンである4月に変更したとのことでした。
このように徹底したユーザー視点の調査を繰り返し、アンケートデータも、グラフとかだけではなく、生のフリーコメントが入ったデータを、くまなく読んでいる。大量のデータを読んでいくと、そこから自然とリアルな”ユーザー視点”が見えてくる。
プレイヤー + 俯瞰力(全体を見渡す力)
ここで大事になってくるのは、 単に調査をして、その結果を分析することだけではなく、「プレイヤー + 俯瞰力」。
栗原さんは、当事者としてのプレイヤーの視点をもちつつ、もっと広い視野で全体を見渡す俯瞰力を持っている。
栗原さん曰く、キムタクはこの 「プレイヤー + 俯瞰力」の代表格とのこと。常に、自分を上からカメラで見ているような感じで、自分を俯瞰的に見ている、そして全体を俯瞰的に見ている。そのパワーがすごいとのことでした。
また、ここまで考え抜いて、準備して、コンプライアンス上ギリギリのところを攻めてコンテンツを作ったとして、それをカットするのは簡単。簡単にカットしてしまう人が多いけど、「どうやったらカットせずに、それを放送することができるか?」というやり抜く力を持っているというのも印象的でした。
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