山口周さん『ニュータイプの時代』 朝渋トークイベント

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。

こちらのイベントに参加してきましたので、濃縮してレポートします。

このイベントの登壇者は、『ニュータイプの時代 新時代を生き抜く24の思考・行動様式』の著者、山口 周さんです。
ベストセラー『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』など数多くの本を出版している山口さん。この新著は、発売前から多く目にしていて、非常に楽しみにしておりました。

このイベントでお話をお伺いして、『ニュータイプ』の考え方に共感するとともに、今後どのように生きていくかを考えさせられました。

「正しいか 正しくないか」じゃなく「好きか 嫌いか」

まず最初にお話があったのが、

「正しいか 正しくないか」じゃなく「好きか 嫌いか」をハッキリさせたら、友達ができやすくなったというお話。

これは、前著の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』 がベストセラーになったことの理由でもあるそうで、
「正しいか 正しくないか」という理性の時代から、
「好きか 嫌いか」という感性が求められる時代へ変わっているということ。

理性(サイエンス)から感性(アート)へ

ビジネスにおける「真・善・美」の考えが、理性(サイエンス)から感性(アート)に変わってきている、と表現されていました。

たとえば、理性に基づく仕事であるコンサルタント、弁護士、広告代理店、そして理性に基づくコンテンツは、高い値段で売れた。これまでは、クリティカル・シンキングや、ロジカル・シンキングのような考え方が重視、つまり理性重視の時代だった。この理性が重視されすぎていた時代から、感性が重視される時代に変わってきている。

決して「感性だけ」あればいいという考えではなく、理性と感性のバランスが大切ということ。

モノが少ないほうが豊かな時代へ

それが今は、正解、ソリューション、モノが過剰になった時代。 いま日本人で一番本が売れているのは、こんまりさん。彼女は「モノを減らす」という考え方。こんまりさんのヒットが象徴するように、これまでの時代とは違って、モノが少ないほうが豊か、という考え方に変化してきたということ。

こちらの表は、いまの時代に過剰なモノと、希少なモノがどのように変化してきたかについて書かれています。

たとえば、利便性よりもロマンについては、エアコンという便利なものは過剰になり、暖炉のようなものにロマンを感じて、価値が上がってきた。

過剰なものより、希少なものに価値がある時代になっているということ。この表は、ものすごく分かりやすかったです。

「役に立つ」じゃなく「意味がある」

さきほどの表にあるように、正解がありふれた時代になっている。そのなかで、機能を少しずつアップデートしたり、という競争が激しくなった。携帯(ガラケー)とスマホの対比がこれを分かりやすく表現している。

ガラケーは3ヶ月ごとに少しずつ機能をアップデートして、新しい製品をリリースしてきた。同じような市場調査をして、みんなで「正解」を探している。ほとんど見た目も似ていて、区別がつかない。そのなかで、スマホ(iPhone)という全く新しいものが生まれて、市場がいきなり変わった。

ここで表現されていて印象的だったのが「プロセスの奴隷になっている」という言葉。人間が、”想い”を失って、プロセスに振り回されてしまっている状態。

このような正解を出す仕事(プロセス)は、これからはどんどんAIに置き換わっていく。

じゃあ、そのような時代に私たちはどんなことを重視しているのか?

この2つを使った図で、例をあげていただきました。

「役に立つ」より「意味がある」が重視されるようになってきたということ。

たとえば車でいうと、こちらの図のようになる。「役に立つ」というのは1種類でいい、価格勝負になりやすく、勝者総取り。それが「意味がある」というフェラ-リのようなものは、希少で価値が生まれやすい。つまり高く売れるということ。そしていろんな種類が受け入れられるので、多様化する。

オールドタイプとニュータイプの違いは?

じゃあ、このような「役に立つ」より「意味がある」が重視される時代に、どのような考え方が必要になるか?

これをオールドタイプとニュータイプの違いということで、表で表現されています。これから活躍する人材にもとめられることが、ニュータイプに挙げられています。

人を評価するモノサシも変えていく

これまでの教育は、「問題が解決」できることが優秀としてきた。 従順で、論理的で、勤勉で、責任感の強い「優秀な人材」がオールドタイプとして、価値を失っていく。

でも人を評価するモノサシが大きくは変わっていないので、教育もまだ変わっていない。これが、おかしいなと気づき始めた人が出てきた。不登校になる子は、感度が高い、それに気づいているということ。

人を評価するモノサシが変わっていくと、このニュータイプにもっと寄った教育に変わっていく。本のなかでは、複数のモノサシをバランスして使っていくことが大切ということを書かれています。

教育は、インプットとアウトプットの関係が複雑なので、ここに理性で、意思決定するのは難しい。 たとえば、モンテッソーリ教育は、その効果をデータで示すのは難しい。でも、このような教育が、求められてきているという話も興味深かったです。

ワガママは最高

働く時間は江戸時代から比べて2倍になっていて、労働人口は4倍になっている。トータル8倍の労働力があるので、みんな疲れてしまっている。

これを「クソ仕事の蔓延」というパワーワードで表現されていたのは意外でした。

解くべき問題が無くなって来ているけど、その問題解決に、時間ばかり使ってしまっている状態。

このような状態だからこそ、「喜怒哀楽」が大切になってくる。

  • 自分の人生を豊かにすること
  • 喜びを感じること

が重視される。

つまり、アートが求められるようになった。

ここで印象的だったのは、「ワガママは最高」という言葉。

ワガママというのは、好き嫌いをハッキリさせるということ。自由で、直感的で、好奇心が強い。人に説明するときに理屈ですると、理屈で打ちのめさせる。 でも、好き嫌いで説明すると、それ以上の話にはならない。同じ価値観を持ってる人が集まってくる。

このようなワガママなニュータイプが、豊かな人生を送ることができる。

市場規模という意味でも、万人受けするものではなく、たとえニッチなものでも強く共感してくれる人がいて、グローバルに市場を広げれば、「グローバル ✕ ニッチ」で市場を広げられる。

坂本龍一さんと小室哲哉さんの対比をされていたのが分かりやすかったです。

  • 坂本龍一さんは、「グローバル ✕ ニッチ」世界で1万人
  • 小室哲哉さんは、「ローカル ✕ メジャー」日本で100万人

たとえ、1つの国で100人のパトロンしかいなくても、100カ国あれば1万人になる。こうやって市場の考え方を変えていくことが大切。

今日から行動できること

ニュータイプを目指していくにあたって、私たちが今日から行動できることはなにか?という質問が最後にありました。

「時間泥棒」が増えている。

いま一番貴重なのは「時間」なので、

  • なんとなく使ってしまっている「時間」を見直すこと
  • 「時間」の使い方を意識すること

が今日から行動できること。

すばらしいトークをありがとうございました!

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