こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
昨日は、こちらのNewsPicksアカデミアのイベントに参加してきました。
イベントページから引用させていただきます。
「働き方改革」という言葉があちこちで使われるようになったが、実際に職場で何か改善されているという実感が持てない、という声も聞こえてくる。
アメリカの研究では、「幸福度の高い従業員の創造性は3倍、生産性は31%、売上げは37%高い」というデータもあり、世界で「幸福度」は科学的に分析され、ビジネスに取り入れられている。
日本企業は「社員の幸せ」について、何を取り違え、何に躓いているのか。また、社員が幸せになるとどう成果や業績に変化が現れるのか。
本イベントでは、「幸福学」の日本の第一人者・前野隆司慶大大学院教授が、離職率28%の「ブラック企業」から変化を遂げ、ユニークな働き方で注目を集めている企業・サイボウズ社長の青野慶久氏と対談。
今日からすぐ実践できる「幸せな職場のつくりかた」を紹介する。
私はIT企業で働いている立場と、コミュニティを運営している立場の両方で、このお話を聞いていました。お二人のお話には、ずっと共感ばかりで、特にコミュニティをなぜやるか? ということについて、改めて考えることができました。
このイベントを濃縮してお届けしたいと思います。
「幸せの階段」を登る
まず、「幸福学」 の第一人者である前野先生のプレゼンがありました。
「幸福度の高い従業員の創造性は3倍、生産性は31%、売上げは37%高い」
企業のなかには「売上第一」となっていて、社員の幸福について意識されていない企業も多いと思います。データで見ると衝撃的ですが、社員が幸福になれば創造性、生産性、売上げがアップする。
社員が幸福になる ➜ 創造性、生産性アップ ➜ 売上げアップ
まずは、社員が幸福になれることが大切。そのことに気づいた企業が増えてきたとのこと。
幸せの4つの因子
じゃあ、幸福(幸せ)になろう、と思ったときに何を意識すればいいのか?
ここで「幸せの4つの因子」のお話がありました。
幸せの4つの因子とは、
- やってみよう因子
- ありがとう因子
- なんとかなる因子
- ありのままに因子
ポイントになるのは、個人のあり方(上の図の青いボックス) だけではなく、人との関係性の質 (上の図の赤いボックス) の両方が大切ということ。
私たち 母親アップデートコミュニティでは、150名の”母親”が集まって、「自分がしたいことをできる母親を増やす」ということで活動しています。まさにこの活動の目的が、この4つの因子で幸せになるということに繋がる。
大切にしてきたことが、この4つで表現されていて、ものすごく共感しました。
幸せの階段
「幸せになる」「幸福度を上げる」というのは、「幸せの階段」を登っていくイメージ。こちらの図を見せていただきました。
さきほどの幸せの4つの因子のうち、
- タテ軸に “集団主義”の「ありがとう因子」
- ヨコ軸に”個人主義”の「やってみよう因子」「なんとかなる因子」「ありのままに因子」
があって、それを行ったり来たりしながら、どちらも大切にして登っていく。
この階段を登っていく、集団と個人のどちらも大切にするという考え方を聞いて、今までふわっと考えていたことがクリアになり、感激でした。
サイボウズの「100人100通り」の働き方
つづいて、サイボウズ社長の青野さんのプレゼン。青野さんの著書や記事で、サイボウズさんの取り組みにすごく興味があって、お話をお伺いできるのを楽しみにしていました。
青野さんは育休を3回取得、選択的夫婦別姓への取り組みについても有名です。「実は、ワーカーホリックなんです」というのが意外で、寝袋でオフィスに泊まり込みで働きたいタイプという青野さん。
メールは「情報共有」ではない
まずサイボウズとして大切にしている「情報共有」の考え方についてお話がありました。メールは「情報共有」ではない、なぜなら宛先が限定されているから。みんなで見れるようにすることが「情報共有」。
このみんなで見れるようにするという「情報共有」の考え方については、私もかなり意識していること。
コミュニティで言うと、一人ひとりの投稿をみんなで見れる。話し合ったことを全部議事録に残して公開しておけば、みんなで見れる。
これが、情報格差を無くして、一人ひとりの主体性を上げることにつながる、という話に深くうなずいてました。
離職率が上がり、「100人100通り」の働き方改革へ
青野さんが社長になった直後に、離職率がなんと28%に。その対応に毎日追われいたとのこと。そんな状況を解決したいと思って始めたのが、働き方改革。
「100人いれば100通りの人事制度があってよい」という考え方に変えて、取り組みを始められた。
「100人100通り」は聞こえは良いけど、みんなで意見出し合ったら、「週3日しか働きたくない」とか色んなワガママに思える意見が出たとのこと。
ここでポイントになったのは、
- 給料を柔軟にする(例:週3日勤務なら3日分で設定)
- なんでも試してみる
こんなに全部試していたら人事部は大変と思ってたのですが、そこは「だれでも人事部」という制度を入れて、人事の仕事を他の部の人ができるようにしたとのことでした。
「時短の人でも、昇進できるのか?」という質問が、モデレーターのNewsPicks野村さんからありました。
これについては、「そもそも”昇進”という概念がサイボウズにはない。給料についてはポジションや勤続ではなく、 “市場性”で判断している。」ということ。一つ一つのお話が、これまでの会社の常識を覆すようなお話で、興味深い。
社員の働き方が「100人100通り」になったことで、社員の離職率が下がり、会社としての売上も上がってきたとのこと。
「制度」「ツール」「風土」の3つが必要
「100人100通り」の働き方改革には、「制度」だけではなく、「ツール」「風土」の3つが必要になる。
特に「風土」は、それを支える土台のようなもの。この「風土」へのサイボウズの取り組みが、ものすごくおもしろい。
その一つが「公明正大」で、これを浸透させるために「アホはいいけど、ウソは駄目」というのを言い続けたとのこと。
たとえば、「社員が寝坊した」という状況でも、「電車が遅れた」とかいうウソは駄目、寝坊は寝坊と正直に言う。このスローガンをあげてから、寝坊の報告がたくさん上がってくるようになったとのこと。
そんなことをツイートしていたら、サイボウズの「寝坊の主」からリプライが。(笑)
この寝坊の事例は、すごくおもしろくて、こうやって「ゆるい投稿」や雑談が気軽にオンラインで飛び交っているというのは、なかなか無いと思います。こうやって、ゆるくても投稿できる雰囲気をどう作っていくか、参考になりました。
働き方改革は「幸福度を上げる」ことから始める
サイボウズといえば「働き方改革」というので有名ですが、どうやったら、他の企業や組織でも同じようなことができるか? というヒントについて話がありました。
さきほどの前野先生のお話と繋がりますが、まずは「幸福度を上げる」ところから始めるのが大切。青野さんの「働き方改革」での一番の気づきは、「一人ひとりバラバラ」ということ。
「みんなで早く帰ろう」という風潮には違和感を持っているとのことで、「100人100通り」の考えがあるので、長く働きたい人もいる。まずは、社員一人ひとりの声を聞いて、どうすれば「幸福度」を上げられるか、ここに取り組むことが大切。
在宅勤務などの制度も、単に導入すればいいのではなく、逆に「孤独」になって、幸福度が下がってしまうこともある。
「孤独」にならないような「風土」をどう作っていくか?
このように「働き方改革」を進めていこうとすると、ビジネスモデル的にできないというケースもでてくる。
その場合は、ビジネスモデルを変えるということを考える。
- 「24時間営業」の見直し
- 「年中無休」の見直し
- 「大量生産」から「少量生産」へ
- 売り切りモデルから、サブスクリプションモデルへ
などの例が挙げられました。
前野先生いわく、サイボウズは「ティール組織」になっている。これまでのピラミッド型からフラット型に変わっているという単純な話ではない。ピラミッド型のような組織のあり方も含めた進化形が「ティール組織」。必要な場面では、ピラミッド型にもなれる。
「一人ひとりの個性を活かす」 その青野さんの考え方に、ものすごく感激でした。
明日からの「ファーストステップ」
最後に、お二人から明日からの「ファーストステップ」について。
前野先生から。
まずは、自分が変わること。「ありがとう」をもっと言う、とか小さなことから始めてみる。
青野さんから。
ワガママになろう。
日本人は、ガマンすることを教えられている。もっとみんなワガママでいい。
最後まで、深くうなずきっぱなしでしたが、特に最後の「ワガママになろう」は、まさに今コミュニティで取り組んでいるテーマ。
もっと「ワガママになれる」母親を増やしたい。勇気づけられたイベントでした。すばらしいイベントをありがとうございました!
前野先生のこちらの著書、買いました!
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