こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
昨日は、コミュラボというコミュニティを学ぶコミュニティのイベントに参加してきました。
テーマは「未来食堂とコミュニティ」
ゲストは、数々のテレビ出演、記事でも取り上げられている未来食堂の小林せかいさん。未来食堂で、食事を楽しみながらお話を聞きました。
「まかない」「ただめし」「さしいれ」「あつらえ」といった他には無い取り組みが斬新。
特に「まかない」は、50分のお手伝いで1食無料。給料は無しというシステム。
50分のお手伝いで一食さし上げます。詳しくはまかないのページを御覧ください。一緒に働いて、本当のまかないを食べてみませんか?
未来食堂のHPより
しかも誰でも受け入れられ、毎日朝から晩まで色んな「まかない」さんが出入りしている。
自分のなかにある飲食店の常識をことごとく覆させられました。
せかいさんは、軸がブレずに、話がハッキリしている。ここまで自分のペースをハッキリ持っている方は初めてです。おもしろかったです。
愛想は不要。仲良くしない。常連はつくらない。
飲食店でありながら、
愛想は不要。お客さんとも「まかない」さんとも仲良くする必要はない。
常連はつくらない。
と言い切られているのに、驚きでした。
でも、実現したいのは、
誰でも受け入れ、誰にとってもふさわしい場所作り
ほんとに「まかない」さんって、誰でも受け入れているんですか?
という質問には、「YES」。
これまでも、色盲の方や、耳が聞こえない方も、働いたことがあるそうです。
一度以上、通常のお客様として来店していて、初回の申し込みは店頭でする。この条件のみ。
面談も無ければ、飲食店での経験も不問。
馴れ合いの雰囲気を作らない。誰でも受け入れるからこそ、フラットな関係を貫いている。
たとえお客さんであっても、「常連」はつくらない。「常連」ができてしまうと、他のお客さんと差が生まれてしまうから。
愛想が無いのも、あえて「まかない」のハードルをここで上げている。
誰でも受け入れるけど、仲良しの友達を作りたいとか、意図しない目的で入ってくるのをコントロールしている。
- 誰もが参加できる
- でも、参加するハードルは上げている(お店の空気で、そう感じてもらう。なので一度は来店してもらう。)
「目の前のお客様に貢献すること」という目的のために、誰もが戦力になれる。 徹底したチームづくりと仕組み化をされている。
お客さんに笑顔になるくらいなら、皿を磨け
「誰でも戦力になれる」徹底した仕組み化
感情をもとに動かない、人の特性を理解していて、徹底した仕組み化をしている。じゃないと、初めて来る「まかない」さんと一緒に仕事ができない。でも、実はマニュアルは無い。
守ること、やることはハッキリ
- 「守ること」2つのルールは、絶対ぶらさない
- 「やること」指示が明確
たった2つのルールは、 ①物のへりを出さない、②後ろを通る時は声をかける。これはトラブルの元だし、悪い空気につながるので、その根っこを無くす。
指示が明確なのは、相手に判断をゆだねない。洗い場の人には、このように指示する。
- ✕「洗い物をしてください」
- ○「食洗機の洗い上がりの食器を1秒でも早くしまってください」
マニュアル無し。助け合いで「育つ仕組み」
これだけ「やること」がハッキリしていると、人は育たないんじゃないか?と思ったのですが、その「育つ仕組み」も徹底されている。
まかないさんが、そのあと飲食店を開業することも多い。未来食堂でまかないを長く続ければ続ける人ほど、うまくいっているケースが多いようです。気づいたら、まかないさんとはマフィア(ファミリー)のような関係になっているとのこと。
「誰もが戦力になれる」入り口があって、育つ仕組みがある。
しかも、毎日ちがう日替わりメニューを提供している。単純作業はなく、毎日がチャレンジ。
ちなみに、この日のメニューは「すいとん」。生まれて初めて作ったとのこと。このチャレンジが、まかないさんと一緒に山を登っている感覚だそうです。
まかないさん同士で、助け合える仕組み。
- マニュアルが無い → コミュニケーションが発生する
- 「入れ子型」育成法
- 「二人三脚」育成法
まかないさんが来たら、必ず「やりたいこと」を聞いて、その希望にそうポジションをお願いするとのこと。
まかないさん同士で、コミュニケーションが発生するように、2人1組のチームとなって、若い人でも育成する側に回る仕組みにしている。
また「教える」という言葉は使わずに、「フォローする」という言葉にして、フォローする回数を決める。精神論ではなく仕組みで補う「二人三脚」の育成法。
「良い空気」をつくる3ステップ
せかいさんの話のなかに、よく「空気」という言葉が出てきます。
良い「空気」の作りかた、維持のしかたも、徹底されています。
自発性が高まれば皆が活発化し助け合うので、チームとしての強みも増します。自発性が高まるカギは、良い空気です。目に見えない曖昧なものですが、仕組みさえあれば、誰でもつくることができます。
『誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか』より
良い空気をつくるための3つのステップが、せかいさんの著書
『誰でもすぐに戦力になれる未来食堂で働きませんか』 に書かれています。
- まずは自分が「良い空気」をつくる
- 人を介して「良い空気」をふくらませる
- 「悪い空気」が入り込む余地を与えない
前提条件として、リーダーが醸す空気以上に良くなることはない。
「ありがとうございます」を言うとか、みんなにしてもらいたい行動を、自分がやること。
「褒めるときは、大勢で褒める」とか、「お茶どうぞ」「先にまかない、いかがですか?」という声がけとか、良い空気をつくるためのキラーアクションをつくって、良い空気をふくらませる。
そして、先に書いたルール(ぶつかりやトラブルを未然に防ぐ)や上下関係を無くすことで、悪い空気が入り込む余地を与えない。
「善意は有限」なので、仕組みや空気でカバーする。
お店の入り口には、「ただめし」券が貼ってあるコーナーがありました。
入り口壁に、ただめし券を貼っています。誰でも使えます。困ったときは使って下さい。未来食堂には、50分のお手伝いで一食もらえる”まかない”制度があります。ただめし券は、”まかない”をした誰かが、自分が食べる代わりに置いていった一食です。
未来食堂のHPより
「限りある善意」というのが、明確に貼ってある。
ただめし券を多用する人が出ないのは、この仕組みと空気。
とにかく、せかいさんはストイック。「リーダーは常に成長すること」が必要と、著書で書かれているように、新しいチャレンジを繰り返している。
徹底したチームづくり、仕組みづくりは、勉強になりました。
この方の本、全て読破するほどファンです。
少し前に書いた会社のメルマガの一節。
子育てもしながらの経営。
ビジョンもミッションも素敵ですよね。
↓
・閉塞的な飲食業界に対する偏見の打破
・挑戦者へのノウハウ習得の場の提供
・困った人が気軽に立ち寄れる空間の創出
不本意な話題先行がちな経歴
圧倒的な行動力と分析力で構築
計算し尽くされた超合理化システム
その根底にある理念
他人との価値観の違い
疑問視することによる疎外感
ありのままの自分が受け入れらない矛盾
いわゆる世間の常識では
「ふつう」と見なされなかった自身の過去
同じ思いをしている可能性のある人々
そんな人の為のあたたかい心の拠り所
それが未来食堂のビジョン
竹内さん、そうなんですね!うれしいです!
ご自身の経験をもとに、理念に対して、徹底的に仕組みづくりされてるんだな、と感じました。
飲食店の常識を覆されました。