講演レポート: 前田裕二が考える 「共感とお金」の関係性

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみです。

昨日は、ファイナンシャルアカデミーが主催する「お金と教養フェスティバル2019~キャッシュレス時代に考えたいお金のこと」に参加しました。

何で参加したかと言うと、前田裕二さんの講演があったからです!今日はこちらの講演について、内容をレポートしていきます。しかも最後にサプライズが!最後まで読んでいただけると嬉しいです。

【対談】 前田裕二が考える「共感とお金」の関係性

若手起業家としても注目を集める前田裕二さんは、その人生が起伏に彩られていることでも有名です。
8歳で母を亡くしギターの弾き語りで生活費を稼いだ小学生時代、トップ営業マンとなった外資系投資銀行時代、そして経営者として歩む現在。波乱万丈の人生、「SHOWROOM」を運営する中で知った「共感とお金」の関係性について、Forbes Japan副編集長の谷本有香さんと共に語ります。

お金の教養フェスティバル2019のイベント概要より

こちらの3つのポイントで話が展開されていましたので、その流れに沿ってまとめてみます。

  1. 「共感とお金」の関係性
  2. 資本主義と価値主義の二極化
  3. 「お金持ち」から「想い持ち」へ

1.「共感とお金」の関係性

まず、今回のイベントテーマである「お金」の話から始まりました。

前田さんにとっての「お金」とは?

幼少期は、すごく貧乏だったという前田さん。お金がとにかく怖かった、お金で幸福をコントロールされる、というのが恐怖だった。これを変えたい、逆にお金をコントロールしたいと思っていたとのこと。

そう思っていたので、大学生のときにファイナンシャルプランナーの勉強をしたり、UBS証券というお金を扱う会社に入った。意外と早い段階で、このお金の恐怖を乗り越えることができた。と同時に、お金が増えても幸福度は変わらないと気づいて、安心したそうです。

ある一定を越えると、 お金が増えても幸福度は変わらない 。

がんばると報われる仕組みがあったことに気づいた。

「お金」はずっとテーマで、それもあって「銭ゲバ」という少年漫画を読んでいたそうです。このマンガでは、「お金」と「愛=人間の関係性」のどちらが幸福につながるか?というのが描かれています。

SHOWROOMを始めた理由

小学2年生のときに親を亡くされて、お金がない状況が続いたという前田さん。このときに、どうやったらお金をもらえるか?というのを考えて、始めたのが「ギターの弾き語り」。半年くらいは全然お金をもらえなかったが、その後からは10~15万円くらいもらえるようになった。

歌が上手いからではない、芸術性で勝負しても意味が無い。

“共感”が大事と気づいた。

この「ギターの弾き語り」という原体験があって、SHOWROOMという仮想ライブ空間を始めた。SHOWROOMには、”バーチャルギフト”という、いわゆる”投げ銭”のような仕組みがあるのが特徴。配信者に、その配信を見ている人が直接”投げ銭”できる。

ライブ配信 ✖ 直接課金 

というのが意外と無かったとのこと。ここには、この配信者(アイドルなど)を応援したい!という”共感”が生まれ、それがお金という形になっている。

これからのエンターテイメント

このSHOWROOMのような新しいエンターテイメントに代表するように、「この人を応援したい」という気持ちが”お金”になることが、インターネットを通じて一般化していくとのこと。その理由として2つ挙げられていました。

  1. 利他的行動が可視化
  2. 社会が一定の成熟度になっている「乾かない社会」

1)「利他的行動」

まず、利他的行動とは、「自らの不利益をかえりみず他の個体に利益をもたらす行動」とWikipediaにありました。

前田さんは、こちらの『利己的な遺伝子』という本の内容を紹介されていました。

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生物は、未来の遺伝子を運ぶためのビークル(乗り物)。遺伝子が、自分の遺伝子を未来に運ぶため、意図的に利他的な行動をさせる。

「蜜アリ」を例えに、お腹に蜜を溜めて、他のアリのために運ぶのは、遺伝子が残っていくように行動するため、ということがこの本で書かれているようです。

この「利他的行動」はこれまで目に見えないものだったが、インターネットを通じて、これが瞬時に可視化されるようになった。例えば、誰かが人を救うことがTwitterで一気に広がるなど。

2)「乾かない社会」

つぎに、2つ目の「乾かない社会」について 。
これは『モチベーション革命』の著者である尾原 和啓さんの言葉とのこと。

社会が一定の成熟度になっている、つまり300円でも美味しいワインが飲めたり、家もシェアすることができたり、お金を持ってなくても満たされる社会。

インターネットを通じて、「この人を応援したい」という共感が”お金”になることが一般化していくとのこと。

2. 資本主義と価値主義の二極化

では、利他的行動が瞬時に可視化されるようになると、これまでの資本主義という考えではなく、価値主義(評価経済)に変わっていくということが言われています。

価値主義(評価経済)ってなに?

ここで例に出てきたのが「ホームレス小谷さん」

1日を50円で売っている、リアルに家が無い芸人さんです。前田さんは甥っ子の宿題を50円で小谷さんに手伝ってもらったとか。でも、50円で手伝ってもらったから有り難いということで、「信用」が小谷さんにはどんどん溜まっている。なので「お金」をもらってなくても、ご飯をごちそうになったり、お家に泊めてもらったりできているとか。

さらに、小谷さんがクラウドファンディングを始めると、すでに「信用」があるから、お金が一気に集まってくる。「信用」を「お金」に転換する装置として、クラウドファンディングや、Polcaなどのサービスが始まっている。

いきなり価値主義(評価経済)に変わるの?

これについて、前田さんは、すぐに100%価値主義には変わらないと仰っていました。例えば、タクシーに前田さんが乗って、「これからは価値主義の時代になる。タダで乗っけることを続けると、信用が溜まっていって、今お金をもらうよりもいいですよ。」と言っても、今は成り立たない。

私たちは、お金を前提とした資本主義で生きてきているので、すぐにここから完全に抜けるのは難しいとのこと。資本主義と価値主義の二極化が進むと考えているようです。

じゃあ、私たちはどうすればいいか?

会社に勤めている人がほとんどの世の中。会社のなかで信用を溜め続けていても固定給なので、すぐにはお金にはならない。じゃあ私たちはどうすればいいのか?という疑問が出てきます。

これについては、2つの視点を持つことが良いとのこと。

  1. 会社に所属する「自分」
  2. 「個」としての「自分」

いきなり会社を辞める必要はなくて、それを続けながら、ちょっとずつ自分のやりたいことを始めていく。たとえば、SNSを始めてみるとか、そんなことでいい。会社に所属する「自分」を100%じゃなくて、「個」の自分をちょっとずつ増やしていくイメージ、バランスが重要ということですかね。

次に出てくるのが、どうやって信用を得ていくの?という疑問。

これについては、自分が「本当にやりたいこと」をやる、というアドバイスがありました。たとえば、ホリエモンは和牛やロケットに夢中になっている。自分が「本当にやりたいこと」はウソが無い。

自分が満たされていないのに、人のコップは満たせない

さきほどの「利他的行動」の話がありましたが、人に何かしてあげたいと思っても、自分がハッピーでないとできない。まずは、自分がハッピーなこと、これをやっていくのが重要とのことでした。この話は、会社勤めをしている私には、すごく腹落ちしました。

3.「お金持ち」から「想い持ち」へ

今回のイベントは「お金」がテーマですが、キャッシュレス社会が進んでいくと、感情がお金に乗りやすくなってくる。さきほどの共感がお金になることがもっとスムーズになる。そうなってくると「お金」が重要ではなくなってくる。

「お金持ち」から「想い持ち」へ

この感覚が重要と仰っていました。自分が「想い」を持てる何か、本当に好きなことがまだ見つかっていない人には、こちらの2つの行動をオススメするとのこと。

1.内省をする

自己分析など、今までの人生を振り返って客観的に分析してみる。

2.「たこわさ理論」1人でも多くの人に会ったり、1つでも多くのことを経験する

人は知らないこと、経験したことがないものをやりたいとは思わない。なぜなら、知らないから。もし日本中の子どもに、人生最後の晩餐は何が良い?と聞いたら、「カレー」「ハンバーグ」という答えは沢山あるかもしれないけれど、「たこわさ」という回答は限りなく少ないはず。

なぜなら、子どもがたこわさを食べたことのある確率が低いから。もしかしたらたこわさが日常的に食事に登場するものだとしたら、たこわさを挙げる子どももいるかもしれない。

このように、「知らないから、食べたいと思わない」=知らないから、やりたいと思わないことはきっとある。

だから視野を広げて、いろんな人に会い、いろんな価値観に触れていけば、自分の「たこわさ」=やりたいことが見つかるはず

ホームレス小谷さんに会った!

講演で「ホームレス小谷さん」の話がでたのですが、実はこのあとホームレス小谷さんに会ったんです!キングコング西野さんのクラウドファンディングのリターンで、初詣に行こうという企画があって、そこに行ったら、小谷さんがいた!

すごく嬉しかったです!しかも、後光がさしてる!

すごい優しい!一気に小谷さんのファンになりました。

ご利益ありそう!2019年は良い年になる!そう確信しました。

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