『デザイン思考ワークショップ』を開催。デザイン思考を使って「傘」を創る。

こんにちは、Natsumiです。

みなさんは、「デザイン思考」という言葉を聞いたことはありますか?

私は最近よく耳にするのですが、実はあまり良くわかっていません。
なんとなく「デザインを生み出すための思考法?」くらいに思っていました。
もちろん、どう使っていいかも良くわかりません。同じような方は多いのかな、と思っています。

もしかしたら「デザイン思考は、クリエイティブを創るデザイナーのためのものでは?自分とは関係ない」と思われている方もいるかもしれません。

そこで、昨日は社内向けのイベントとして、『デザイン思考ワークショップ』を開催しました。講師として、目白大学メディア学部メディア学科の、安斎徹 教授をお招きしています。

ワークショップでは「新しい傘を創ろう!」をテーマに、手や頭を動かします。これをやることで、すごくイメージが沸きました。
デザイン思考は、すべてのビジネスパーソンが知っておくべきもの課題解決やイノベーションを起こすのための思考法だと思いました。ぜひこれを読んでいるみなさんにも、理解を深めていただければ嬉しいです。

デザイン思考とは?

まず「デザイン思考」という言葉の説明からさせてください。
*出典:『ビジネスのアイデアがどんどん出てくる本』

・デザイン思考とは?
優秀なデザイナーやクリエイティブな経営者の思考法をまねることで、これまでと違う発想を生み出そうとする手法。

・なぜ今、デザイン思考なのか?
今までのやり方では限界を感じている。
今までは主に技術やマーケットの動向から新しい商品やサービスを考えてきた。既存の市場では有効だが、従来の延長線上の発想しか出てこない。

デザイン思考をビジネスに活用すれば、イノベーションを起こせるのでは、と大いに期待されている。「人間」を起点とするアプローチ。

・デザイン思考の5つのステップ

以下の5つのステップ(共感、問題定義、創造、プロトタイプ、テスト)を繰り返すことで、問題の本質をインサイト(何かをきっかけに新たに気づいた情報)としてとらえ、そのインサイトにもとづいたソリューションをデザインする。

図であらわすと、このようなイメージです。

ワークショップ前のアイスブレイクの威力

今回のワークショップでは「新しい傘を創ろう!」をテーマに、5つのプロセスに沿って、ペア(2人組)でディスカッションしました。

・ペア(2人組)でやることの意味
ワークショップのペアは、なるべく初対面の人がいいとのこと。
今回は「自由にどの席に座ってもいい」というのではなく、「受付でトランプを配り、席を決める」という方法にしました。これだと普段話している人同士で固まらないのでいいですよね。
またペアだとお互いが均等に話すので、いいとのことです。たしかに、4人グループとかだと、声の大きい人がたくさん話してしまいますよね。

・アイスブレイクの威力

またワークショップの前に、5分程度のアイスブレイクがあり、これがすごく面白くて一気に場が和みました。
本題とはずれますが、少しこれについても書かせてください。なにかワークショップをやるときは、コレ絶対入れよう!と思いました。

-アイスブレイクをやる理由
場がなごむ、ペア相手の意外な側面を知る、これからワークショップをやろうというスイッチが入る

1) 10秒、見つめ合う

アイスブレイクで、ペアの人と「10秒間、見つめ合う」→「10秒間、笑顔で見つめ合う」→「握手する」というのをやりました。初対面の人と見つめ合う、ってなかなか無いですよね。すごい恥ずかしかったです。
でもこれで一気にペアの人と打ち解けた気がします。たったの10秒でも、こんなに違うのか!と目から鱗でした。

2) 笑顔を練習し合う

次に笑顔を2人で練習しました。「うれしい、たのしい、大好き」と言いながら、笑顔を練習する。これも、すごい恥ずかしかったです。でも笑顔って、何となく幸せな気分になりますよね。

3) 「なに、これ?」ゲーム

ペアの1人が、1分程度で近くにあるモノを「なに、これ?」と言いながらどんどん指差していく。ペアの相手が「指差しされたものが何か?」というのをどんとん答えていく。

たとえば、この画像の例だと、1人がペンを指差し「なに、これ?」と言ったら、相手が「ペン」と答えていきます。

そしてその後は、同じように1分程度「なに、これ?」とモノを指差しされたら、その正解ではない別の答えを言っていく。
上の画像の例だと、「ペン」以外の何かを答えていく。これはペンで無ければ何でもいい。

これをやったら、一気に頭がフル回転して、すこし柔らかくなった気がしました。たった1分でも、アイスブレイクの威力はすごいですね。

「新しい傘を創ろう!」ワークショップ

ここから本題です。「新しい傘を創ろう!」をテーマに、ワークショップが始まりました。

1) 共感

Q1. あなたの傘体験(4つのシーン)を思い出してください。

・傘を開く
・傘をさしている状態
・傘を閉じる
・持ち運ぶ

この4つのシーンそれぞれで、「快適」「不快」と思っていることを、自分で書き出します。「不快」なことを中心に書き出します。


Q2. 相手の傘体験をインタビューします。

相手に傘体験(どんなことに困っているか?何が不快か?なぜ不快か?)を話してもらいます。
そのあとに、そのインタビュー内容を書きます。
そしてその傘体験について、聞き足りなかったことを質問して、その内容を書きます。

たとえば、私がインタビューした例。

・ビニール傘派。なぜなら男性の長傘はオジサンっぽいから。
・傘が邪魔になる。
・手がふさがる。
・雨がたれてくる。肩やバッグが濡れる。
・手も濡れる。
・車からの水跳ね返りがイヤ。

2) 問題定義

相手の傘体験インタビューから、相手の抱えている問題を定義します。

Q3. どういう問題がありましたか?心の中も推測して、書き出します。

たとえば、私が書いた例。

・重たい
・邪魔
・デザインが良くない
・ぬれる
・車からの跳ね返り

3) 創造

Q4. どんな機能や形状であったら問題を解決できますか?(実現可能性やコストは意識しない)

・軽い、持たなくていい
・持っているときも邪魔にならない
・かっこいいデザイン、個性的
・車からの跳ね返りもシャットアウト

4) プロトタイプ(試作品)

Q5. ステキな傘の絵を4つ描きましょう。

ここでも実現可能性とかコストとか考えずに、とにかく思いつくものを「4つ」描きます。

5) テスト

Q6. ペア同士で、「4つのうちどのアイデアが一番だったか?」を、指差してください。

私の一押しは、右下のドラム風の傘だったのですが、これは残念ながら選ばれなかったです。

※なぜドラム風か?というと、そのペアの相手がバンドでドラムをやっていたからです。これは明らかに雨に濡れるよね、というツッコミもありました。

ということで、手を動かすワークショップは終わりになりました。

振り返り

1) 傘 = 解決すべき問題が至るところにある
2) 問題を掘り起こすのに手間は掛からない
3) 試しに解決策を提案することによって、即座に忌憚のない意見が返ってくる
4) たとえ解決策が的外れであっても、かかったコストは小さい
5) とにかくやってみること、それに尽きる

最後に世の中にどんな面白い発想の傘があるか、という紹介がありました。

まさかの、「ドラム傘」発見!

逆さに開いて、逆さに閉じる傘

いろんな傘がありますね!おもしろい!

そう言えば、この傘メーカーに勤めている人と話していたのですが、「傘は何十年も、あまり変わっていない」とのこと。
しかも「傘メーカーと言ったらコレ」というブランドが無いなので、そのブランドを目指してイノベーションを起こしたい、ということを仰っていました。今後に期待します。

今回アイスブレイクで一気に和み、自分の手と頭をつかい、ペアで一緒に考えたワークショップ。とにかく楽しかったです。そして、安斎先生がほんとに素敵すぎて、笑顔が溢れたすばらしいワークショップとなりました!本当にありがとうございました!私も大学生に戻って、安斎先生のゼミに入りたくなってしまいました。

これは単に「面白かった」で終わらせてはいけないので、これから使っていきます!

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