『注文をまちがえる料理店』 社会的ムーブメントになるまで。

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。

みなさんは、「注文をまちがえる料理店」のことを知っていますか?

私は、この本を読んで知りましたが、すごく話題になっているので、知っている方も多いかと思います。

「注文をまちがえるなんて、変なレストランだな」
きっとあなたはそう思うでしょう。

私たちのホールで働く従業員は、
みんな認知症の方々です。
ときどき注文をまちがえるかもしれないことを、
どうかご承知ください。

その代わり、
どのメニューもここでしか味わえない、
特別においしいものだけをそろえました。

「こっちもおいしそうだし、ま、いいか」
そんなあなたの一言が聞けたら、
そしてそのおおらかな気分が、
日本中に広がることを心から願っています。

――「注文をまちがえる料理店」に掲げられたステートメントより

ざっくり言うと、認知症を馴染みのない人に分かってもらうための「太陽」のアプローチです。

北風と太陽で言うと、たとえば認知症がもたらす厳しい現実をストレートに伝えて「この問題が大変だぞー」と伝えるのが「北風」のアプローチ。この「注文をまちがえる料理店」は、「太陽」のアプローチで、「あ、間違えてもいっか」と、みんなが笑顔になりながら、認知症の方々と、そうでないお客さんが交わっている。

この取り組みを主宰されている小国 士朗さんが、こだわっていたのが、この「太陽」のアプローチ。

この『注文をまちがえる料理店』ができるまで、つくりかた、これからが詰まったのが、この本です。

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この取り組みの社会的ムーブメントがすごくて、クラウドファンディングで1,200万円を集めたり、カンヌなどの国際的な賞をいっぱい受賞されています。

どうやって、こんなにも大きいムーブメントができたのか、それがこの本に書かれていました。

最高のクオリティを実現する仲間集め

NHKのディレクターを務められていた小国さん、このプロジェクトを進めるために、こだわっていたのが最高のクオリティを実現する仲間集め。

たしかに、一つひとつのクオリティが高い。

このデザインだけを見てみても、すごく洗練されています。

仲間集めの3つの条件

「注文をまちがえる料理店」のアイデアと最高のクオリティで実現したいという想いで、3つの条件で仲間集めをされたそうです。

  • 100%おもしろがってくれる人
  • 僕にできないことができる人
  • 自分の利益を捨てられる人

社会的プロジェクトならではの条件かと思いますが、ここにこだわって最高の仲間を集めたことで、デザイン(デザイナー)も、ポータルサイト(IT)も、お金集め(クラウドファンディング)も、介護(介護のエキスパート)も、料理・レストラン運営(おもてなしのプロ)も、最高のクオリティが実現しています。

企業の協賛ではなく、クラウドファンディングという方法をとったのも、このプロジェクトに多くの人が関わってもらうことができるから。

共感に甘えない「二つのルール」

このような社会的プロジェクトでは、「いいことをやっている」からその思いに共感してくれる人がお客さんとしても集まる。でも、それに甘えていない。

プロジェクトを始めるときに、二つのルールを決めたそうです。

  • 料理店としてのクオリティにこだわる(オシャレであること、料理がおいしいこと)
  • 間違えることが目的ではない。だから、わざと間違えるような仕掛けはやらない

商品のクオリティに、めちゃくちゃこだわっている。

「COOL JAPAN」よりも「WARM JAPAN」

これは、「北風と太陽」のアプローチにもつながりますが、小国さんが目指されているのは、「COOL JAPAN」よりも「WARM JAPAN」。

「日本って、なんかあったかいよね。ほっこりするよね。」

このプロジェクトの輪が、少しずつ広がって、他の地域で同じような取り組みが生まれています。

言葉にするのは簡単だけど、「太陽」のアプローチは簡単ではない。「北風」のほうが強制力があり短期的に効果が上がることが多く、「太陽」だと、ゆっくり時間をかけて、思いが伝わっていくイメージ。この「太陽」のアプローチに、真剣に取り組み、これが社会課題を解決すると信じて、取り組みされている姿に勇気をいただきました。

そして、この日本発の解決策が、世界に広がっていることが、すばらしいなと思います。

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2 Comments

竹内啓二

知らなかった取り組みです。
障害者の方を活用した事例とは別の、ただ共通点が多い意義ある内容ですね。
今の会社の特例子会社でも、パン工房やお菓子作りをしており、私自身含めて社内外販売でも非常に人気です。
何より品質にこだわり、丁寧さと誇りと真心が詰まってると感じます。
誰しもなりたくてなっているわけではない障害や認知症。
誰にも訪れる可能性のあること。
そして健常者も含めて、誰かに助けられて支えられて育む人生。
だからこそ養っておきたい偏見に左右されないそれぞれの世界観や世代間の実情。
双方に笑顔とゆとりと理解が生まれるこのような取り組みが世界にも広がることを私も心より祈ります。

※余談ですが、noteで為末大さんと山口絵里子さんの投稿に思い切ってコメントしたら、”スキ”の反応があり、1人で舞い上がってます。
先般の投稿の承認欲求の件ではないですが、読んでくれたんだ、ということに頷いていただいただけでも嬉しいものですね。
これからも臆せず思ったことは行動に移します。
今日もありがとうございます。

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Natsumi Suzuki

竹内さん、ありがとうございます!私も全然知らなかったのですが、素敵な取り組みですよね!

うちの会社でも、障害のある方が作ったパンがたまに社内販売されています。

noteの投稿と、スキマークで舞い上がる気持ちすごく分かります!こういう気持ちと思い切ってコメントする気持ちも忘れずにいきたいですね!

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