こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
今日は、『シェアする美術 森美術館のSNSマーケティング戦略』の本を読みましたので、それについて書きたいと思います。
国内の美術館・博物館で最大規模のフォロワー数を誇る森美術館のSNSアカウント。なんと、Twitter、Instagram、Facebookという3つのSNSのフォロワー数は合計で約40万人! このSNSアカウントを運用する、”中の人”である洞田貫晋一朗さんの試行錯誤が描かれたのが、この本です。
2018年の美術展覧会入場者数ランキングで、
- 1位「レアンドロ・エルリッヒ展」
- 2位「建築の日本展」
を獲得した森美術館。 なぜ、ここまでSNSの運用が成功しているのか? それが知りたくて読んでみました。
このあいだ参加した、ゆうこすの『共感SNS』のイベントに通じる話もいっぱいありましたので、リンク貼っておきます。
ゆうこす「共感SNS」 NewsPicksアカデミアイベントゆうこすも森美術館も共通するのは、そのアカウントに対する”熱量”と、それを”コツコツ”と続けていくことだと感じました。
目的がハッキリ、やらないこともハッキリが、長期的ブランディングになる。
森美術館がSNSをやっている目的は、「来館してもらうこと」とハッキリしています。
これがブレてないというのが、この本でまず感じたことです。単発的なフォロワー数だけを増やすキャンペーンをやっていなかったり、単におもしろい投稿をするアカウントになっていないのは、この目的がブレてないから。
やっていることは、森美術館にある「アート」のすばらしさを実直に伝えること、それをコツコツと継続していること。そして、やること、やらないことがハッキリしているなと感じました。
全てではないですが、そのうちの一部を書きます。
SNSでやらないこと
- ✕「来てください」「買ってください」などの売り込みの投稿
- ✕ 単にフォロワー数を増やす目的だけのキャンペーン
- ✕ おもしろさを狙った投稿
- ✕ 世界観に合わない投稿
- ✕ インスタ映えを狙わない
SNSでやること
- ◯ 来館者のSNS投稿を促す(撮影OKを、前面に出す)
- ◯ 美術館の基本情報を投稿(開館時間、イベントまでのカウントダウンなど)
- ◯ SNSは「秒」の戦い、投稿の1行目にこだわる
- ◯ 投稿の写真は、自分で撮る(リアリティを追求する)
- ◯ 世界観を統一する(長期的なブランディング)
おもしろい投稿はしなくてもOK
目的がハッキリしていて、やらないこともハッキリしているので、長期的なブランディングができている。結果的に、公式アカウントの投稿だけじゃなくて、来館者の投稿や、インフルエンサーの投稿が増えて、拡散していく。単なる“おもしろい投稿”をしていない。“中の人”の人気を上げようともしていないので、もし担当者が変わったとしても、ブランディングがブレないのも特徴的。
ついつい企業のSNSアカウントでは、売り込み感が出てしまう。それを意識的に「売り込みの投稿をしない」としているのも、ブランディングにつながっているということ。
投稿をしてもらうムード作り
「撮影OK」「シェアしてOK」というのを、あらゆる手段で言い続けていくことが大切。美術館のなかでの看板や、SNS、Webでも。美術館は撮影NGの所がほとんどだと思うので、これを前面に出していくことで、「撮影しよう」「シェアしよう」というムードを作っていくことが大切とのことでした。
Wifi飛んでます、というのも現地で分からないことが多いので、うれしい情報。
これは公式アカウントではなく、Fashion PressのTwitterの投稿。美術館にシェアしたくなるアートがいっぱいあるので、投稿を促すこと。マーケティング的なインスタ映えを狙っているわけではなく、あくまでも持っているオリジナルコンテンツである「アート」のすばらしさを伝えることを大切にされている。
SNSの投稿は「川に短冊を流す」ようなもの
この「川に短冊を流す」という表現が、その通りだなと共感しました。
はっきり言って、みんなそんなに見てない。(笑)
この本でも「秒」の戦い、とも表現されていますが、1行目のタイトルと写真を数秒見てるくらい。それだけ、タイトルと写真はこだわったほうがいいとのこと。
でも、みんなそんなに見てないので、あまり深く考えすぎる必要もない。狙いすぎた投稿は、その狙った感がでてしまってスルーされるし、逆に狙ってないのにバズることもある。とにかく色んなことを試しながら、効果検証して、社内にもきちんと報告して理解を得ながら、進めているとか。
企業のSNSアカウントの運用だけじゃなくて、個人のSNSにも通じる話がいっぱいありました! この本読んでいるだけで、森美術館に行きたくなりました!
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