『逃げる自由』

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。

今日は、こちらの本について書いていきます。

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著者は、為末大さん。400mハードル日本記録保持者で、今は経営者でもあり、これまでに多数の著書を出されています。

新著もすばらしく良いのですが、ここはあえて少し前の著書について。

アスリート出身で言語化が卓越していることで有名な為末さん。この本では読者から寄せられたお悩み相談に答えるという展開なのですが、その言葉選びとアドバイスがすばらしいです。

本の冒頭に、この本で特に伝えたいことが2つ書かれていました。

  1. 「世の中を変える」ではなく「物の見方を変える」
  2. 「こうあるべき」ではなく「期待値を下げる」

「世の中を変える」ではなく「物の見方を変える」

この言葉にハッとさせられました。

「世の中を変える」というと大それたことに聞こえてしまうけど、「物の見方を変える」ということであれば、何かできそうな気がする。

自分の「物の見方を変える」

それを続けていくと、だれかの「物の見方が変わる」かもしれない

これって、すごく大切なことだなと最近つくづく思います。

最近こんなツイートをしました。

最近の私は、今まで「自分は子育てが苦手」と言って、目をなんとなく背けてしまっていた子育てに向き合うべく、アドラー式子育てを学んでいます。

「もっと寛容な世の中に変えたい」って思ってたけど、物の見方を変えるだけで、こんなにも寛容になれるんだなと思うことがあります。

たとえば、 子供がサッカー教室に通っているのですが、いつもやる気がないんです。なんとか無理やりでもサッカーをやってもらえないか、試行錯誤していたのですが、公園に行って、サッカーを横で眺めているのでも良いし、草むらで草いじりをしているのでも良いかな、と思うようになりました。

子供ひとりひとりで興味を持つところは違うし、「無理やりサッカーをやらせよう」と思うんじゃなく、「何に興味を持っているんだろう」「どんなことをしているんだろう」という見方をするだけで、自分の気持ちも穏やかになれる。

こうやって文章にしてみると、「それって、親として当たり前だよね?」と思わなくもないけど、物の見方が変わると、気持ちに大きく変化が出てくるのが分かります。

為末さんは、スポーツ心理学的によく言われている「コントロールできないものではなく、できるものに意識を向ける」ということを大切にされています。

親として、無意識に子供をコントロールしたいという気持ちがあったのかもしれない、でもそうではなく、自分の物の見方を変える。

『逃げる自由』というタイトルも、ネガティブな意味で「逃げる」のではなく、自分がコントロールできないことからは前向きに「逃げる」。そして、自分ができることに意識を向ける。

メンタル本で「頑張らなくていい」と言っていることの本質は「頑張らなくていいはずのことを頑張っていませんか?」 ということなんだと思います。

それが「手抜き」や「サボり」に見えることもあるかもしれませんが、それは「前と同じ方法では頑張らない」「自分に合わない方法で頑張らない」ということなんだと思います。

「こうあるべき」ではなく「期待値を下げる」

もうひとつの為末さんが伝えたいことは、「期待値を下げる」。

これは他人に対してだけではなく、自分に対しても求めすぎない。

本から引用させていただきます。

自分に対して。

自分に対する期待値を下げることには 抵抗があるけれど、 短期で期待値を下げることは長期的には諦めないことにつながる。雲の上をずっと見 ていたら頑張る気力が湧いてこないけれど、 足元を見ていれば少なくともちょっとは前に進んでいるから勇気が湧いてくる。  

よくなっているということを ちゃんと自分に認識させてあげるためには今日に フォーカスしたほうが いい。「 あのとき」と比べていいかどうかではなく、 昨日より今日はよくなったかどうかを自分に話しかけてあげることだ。

つねに期待値を下げて「思ったより悪くないんじゃないか」と自分に信じさせる。 幸せってつまるところ落差だと思うんです。どこを基準に考えるかで感じ方が変わる。

他者に対して。

期待の厄介なところは、そこに「取引」の感覚が入り込むことだ。これだけやってあげたのだから、これぐらいはやってくれて当然だというリターンが得られないとき、人は腹を立てる。

他人はコントロールできないものだということを大前提にしておくと、自分もいちいち苛立たなくてすむ。期待しないぶん、人生が豊かになるという考え方もできるのではないだろうか。

「物の見方を変える」「期待値を下げる」この2つを意識していきたいです。

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4 Comments

竹内啓二

記事は遡りますが、あまりに感銘を受けた為、お礼コメントです。

物事の道理
知識と経験を紐づけた独自の生きた言葉
押しつけではない俯瞰的な考え

加えて優れた構成力
真摯さと素直さがにじみ出る表現力
世に溢れる自己啓発本より数段ある説得力
読めば読むほど惹き込まれる魅力

自責モードが強かったこの1年
あるべき姿と現実の乖離によるジレンマ
求められる理想と実態のギャップ

死生観を味わった者ならでは
ある意味の開き直り
失うものはないと思っていた復帰後

上司変更による何とも言えないやり辛さ
自分の至らなさだと責めていた負の連鎖
気づけば萎縮してしまっていた言動

物事の見方を変えるとの視点
その他数々の見事な解釈や助言
すでに3度読みしたmyバイブルになる一冊

私もたくさんの本に出会いましたが、
これが今年度ベスト本です。
ありがとうございます。

余談ながら昨日久々に読んだ
伊坂幸太郎さんの
アイネクライネナハトムジーク。
小説ももしお読みであれば気分転換にオススメかもしれません。

相変わらず卓越した、文書構成、伏線、テンポ良い文書力、自然で的確な比喩表現。

社会的、政治的問題などのシリアスもの、
恋愛もの、擬人化ものなど、
様々なジャンルを、愛着ある仙台や、
好きな音楽などと絡めた作風が好きで、
過去によく読んでました。

今回は完成に恋愛→友愛テーマですが、
斉藤和義さんとのコラボもあり、
心温まり、人との繋がりや大切さを、
改めて実感させられる著書でした。

話は戻り、次は為末さんの諦める力を購入します。

やはり本はいいですね♫

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Natsumi Suzuki

竹内さん、今年度のベスト本とは!!
なんともうれしい限りです!

本を通じて、著者の考えを疑似体験できるのうれしいですよね!
改めて読書の素晴らしさを感じます。

小説は、ほぼ読まないのですが、それも食わず嫌いなのかも。トライしてみます!
ありがとうございますー!

返信する
竹内啓二

なつみっくすさん
…た、ただでさえお忙しいのに、余計な情報になってしまったらすみません。
ちなみに、アイネクライネはストレートでほのぼのとした小さな軌跡の物語。
平凡で何これ❓から一転…東野圭吾さん並みの驚きや伏線を味わいたければ、アヒルと鴨のコインロッカー、またサスペンスでリアル感もあるスリリングを求めるならゴールデンスランバーやモダンタイムズなどがとっつきやすいかもしれません。
が好みなのであくまで個人観です…
気にされずスルーして下さい。
ただ、映画化されている著書も非常に多く、作品や短編を超えてヒトや過去と未来が繋がったり、シンクロしたり、とにかく独特です。
私も小説は以前に比べてめっきり読まなくなりましたが、普段ビジネス書に偏っていたり、小説も山崎豊子さんや真山仁さんのようなノンフィクションに近いビジネス舞台の著書が多かった為か、想像力や表現力や発想力などの脳細胞が刺激されました。
もしかすると…ブログなどへの文書の参考になるかもしれません。

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Natsumi Suzuki

追加情報ありがとうございますー!そういえば、東野圭吾さんとか池井戸潤さんはドラマが面白いので、本を読んだことあります。
そんな感じで読めそうですね!

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