『文系AI人材になる』

こんにちは、なつみっくすです。

みなさんは、「AI」について、どれくらい知っていますか?

AIという言葉はこれだけ広まったので、言葉として知らない方はほとんどいないと思いますが、AIの基本について自分で語れるという方は、まだまだ少ないのかなと思います。

私もIT企業に勤めていながら、お恥ずかしいことに、その1人です。

AIについては、

  • 何でもできる夢のようなツール?(ドラえもんのようなもの?)
  • 将来的にAIが人の仕事を奪う?

というぼんやりとしたイメージで語られることが多い。
AIはあくまでも手段だと思うのですが、AIが目的化していることも多い。

ちなみに、AIは私たちの日常生活にもたくさん使われていますが、私が便利だなーと感動したのは、「ヤマト運輸の不在配達をLINEのチャットで頼める」こととか、「メルカリで、出品したい商品の写真を撮ると、その製品のカテゴリ(例:子供服)と、ブランドを自動認識してくれる」こととか。

AIがこれだけ注目され、「すべての産業はAI化する」と言われているので、AIを理解するのが大切なことは分かっているけど、何か難しそう、とっつきにくいという印象がどうしてもあります。

そんな私でも、AIの基本を語れる自信がついたのが、この本です。

『文系AI人材になる』

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東洋経済新報社
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一言で言うと、圧倒的に分かりやすいです。

なんで、こんなにも分かりやすいのかと言うと、この3つのルールで書かれているから。

  1. プログラミングや統計・数理的なことの中身に触れない
  2. AIの専門用語を極力使わない
  3. できるだけ多くの事例を入れる

これが徹底されていることと、一見簡単に思えることも、丁寧に図解が多く用いられています。それだけじゃなく、身近なたとえ話を使うことで、すっと腹落ちします。

たとえば、基本的な「AI」「機械学習」「ディープラーニング」も丁寧に図解して、これを「ロボット」「人型ロボット」「鉄腕アトム」の関係に例えたものも図解されている。

これだったら、私でも分かる! とスラスラと読み進めることができました。

上記リンクのAmazonのページにも図解のサンプルが載っています。AIのパターンを4つに分類している図解が、すごく好きなので、引用します。

どう分業する?
『文系AI人材になる』Amazonのページより引用

それから、「事例」が豊富なこと。

数えてみたら、なんと45個もの事例が載っていました。しかも特定の業種に偏ってなく、業種別になっている。この事例の解説も図解されていて、これが分かりやすく秀逸です。

やっぱり難しいことって、身近な具体例に落とし込まないとピンと来ないことが多い。どうやったら分かりやすく伝えられるか?を徹底的に追求している著者の熱意が伝わってきました。

なぜ「文系AI人材」なのか?

これまでの AI 人材教育は、 AI を「作る」ことにフォーカス されていた。

ただ、良いものを作ったとしても、使われないと意味がない。

AI は「作る」から「使う」

『文系AI人材になる』より

AIは、「使う」ことの重要性が増している。

テクノロジーも発展してきていて、AIを作るハードルが下がってきた。これまでは特定のスキルを持ってないと作れなかったのが、簡単に作れるツールも増えてきている。

AI を作る専門能力をもたないが、ビジネスや業務知識をもった文系人材が、 AI の基礎をしっかり学ぶことで「文系 AI 人材」となり、「 AI をうまく使う」人材となることで、 AI 活用の現場で大いに活躍することが望まれている。

『文系AI人材になる』より

私自身の話をすると、文系で、IT企業に就職してエンジニアをしていました。(その後、マーケティングに社内公募で異動)

その当時は「手に職を」と甘っちょろい考えで、入社したものの、最初の入社研修で、文系の私は大きなカルチャーショックを受けました。

エンジニアで入社した同期の8割が男性で、しかも理系の大学院卒だったから。それまで、理系の人とは全くといっていいほど、関わることがなく、うまく言い表せないのですが、ギャップを感じました。「なんで、文系学部卒でエンジニアになったの?」と言われることもあったし、当時はEメールくらいしか使ってなかった私は、常に研修では落ちこぼれでした。ぜんぜん付いていけない。

数年働いてみて、ようやくエンジニアとして「深さ」を目指すか「広さ」を目指すかの方向性が見えていたのを思い出します。超エキスパートと言われる特定の分野に「深い」知識を持っている人には勝てない。そうではなく、あまり得意な人がいないトレンドのテクノロジーは語れるくらいの知識を持ち、私は「広い」視点を持って、お客様に信頼される存在になりたい。全体のプロセスを考えるとか、それをどう効率化するかとか、そのためにどうテクノロジーを使うか? といったことを考えていました。

「エンジニア」と言っても定義が広いのですが、「文系」として、自分が価値を出せるところはどこか? を探して、その領域で1番になることを目指していたことを思い出します。今注目されている「カスタマーサクセス」の役割をしていました。

この本では、AIの領域で、今後AIを「使う」人材がより大切になり、そこで力を発揮できるのが「文系」だということが書かれていて、文系にとっては希望が持てるお話。

AIは、Excelくらい必須のスキルになる

この本のメインのターゲットは、文系で、AI人材を目指す人。

AI人材の意味するところは、ざっくり言うと、新しいAIのサービスや製品を企画したり、そのサービスを使うまでの全体のプロセスを管理する人。ただ、ここの具体的なAIの業務に関わらなくても、「AIはExcelくらい必須のスキル」になるとも書かれています。

Excelはあらゆる人が使っているツール。言うまでもなく、エンジニアでもなく、理系でもない人も、たくさん使っている。それくらい、AIも当たりまえになる。

とは言え、「AIは全然わからない。最初の一歩をどう踏み出していいか分からない」と言う人に、まず最初にこの本をおすすめしたいです。

最後に、この本で印象に残った言葉をご紹介したいです。

「想像できることは実現する」と考えよ

AIを過大評価も過小評価もしないと前置きされた上で、「想像できることは実現する」とは良い言葉。

人間が本来持っている想像力を活かして、AIをうまく使うことで、未来は明るくなる。

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2 Comments

竹内啓二

この本、私も読みました。
他の著書も含めて、正直苦手意識があったITやAIに関して、文系でも…というより文系だからこそ、その読解力を活かして活用できるツールだと認識していて、少し自分の中でハードルが下がり、興味関心が高まってます。
論点がずれているかもしれませんが、例えばエクセルのマクロを組む時でも、数学的でなく、何をどのように導き出す為に、何が必要か?何をすべきか?を理解して、言葉で書き出して、組み立てて、それらを決まったコードを読み解いて用いて組み合わせる。他人が組んだコードを理解するにも、やはり読解力が必要で、文書として読み解いて仕組みを理解する。など、AIでも例えばIoTで蓄積されるビッグデータを何の目的でどのように活かしたいかを事前に考えて、文書化して、蓄積されたパターンを組み合わせて、それらを自動化する仕組みを作る、という、文系的な読解力が必要な作業なのかなという認識です。
時代に取り残されないように、かつ楽しみながら新たな可能性を模索したいですね。

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Natsumi Suzuki

わー、竹内さんも読まれたんですね!うれしいです!!おっしゃるように、エクセルを活用するのと、イメージ似てますよね!ありがとうございます。

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