こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
昨日は、コミュラボのイベントに行ってきました。
今年6月に発売された著書『未来のチームの作り方』が話題のサイボウズ式編集部 編集長の藤村能光さんがゲスト。
「チーム作りとコミュニティ」をテーマに、トークとディスカッションをしました。
こちらがイベント概要からの引用です。
自分を「ビジョンで引っ張るリーダーではない」と仰っています。そんな藤村さんがどうやって「幹事」にあたる編集部をマネジメントしているのか、サイボウズを世に知らしめる「サイボウズ式」というメディアを作っているのか、さらにサイボウズ式というコンテンツの周りに出来てきたコミュニティをどのようにマネージしているのか、チーム作りのコミュニティ運営への応用方法…などなどを、お伺いします!
印象的だったのは、藤村さんが「等身大」であること。
嘘がなくて、思ったことをそのままお話いただける、分からないことは「分かんない」と言っていただける。その空気感が、このイベントでも良い雰囲気をつくりだし、みんなでのディスカッションが弾んだと感じています。
「自分らしさ」を活かすオーセンティックリーダーシップ
藤村さんはサイボウズ式という自社メディアの編集長であり、マネージャーという立場。どのようなリーダーシップを意識されているか? のお話が、興味深かったです。
ここで出てきたのが、初めて聞く「オーセンティックリーダーシップ」
まず、オーセンティック(authentic)とは、どんな意味なんでしょう?
Webを検索する、
「本物・信頼できるさま」
という意味だと出てきます。
オーセンティックは、ギリシャ語の「根源となる」が本来の意味。
「正真正銘」という日本語訳もあります。
この前参加したイベントで、ユニリーバの島田由香さんもチームに大切な要素として、この「オーセンティック」について挙げられていました。島田さんは「自分らしさ」という言葉で表現されていました。
「自分らしさ」を活かすこと、それが「本物」であり「信頼」できるということにつながる。
オーセンティックは、あんまり使わない言葉でしたが、ものすごく大切なことだなと思います。
藤村さんは、編集長になった始めのときは、スティーブ・ジョブズのようなビジョンを語るリーダー、背中で引っ張っていくことを目指そうとしたそうです。でも、それには無理があると気づいてから、「自分らしさ」と「活かせるスキル」の掛け合わせを意識するようになったとのこと。
ちなみに、私がこのイベントで感じた藤村さんの「らしさ」ですが、
- 分からないことを「分かんない」と言う
- 「それってどう思いますか?」と質問する
- ぶっちゃっけ話をする
- 完璧じゃなくても見せる
- 借り物の言葉は使わない、自分の言葉を使う
- みんなで作り上げる
だからこそ、今回のイベントでも参加者との距離感が近くて、ディスカッションが盛り上がりました。
たったひとつの大切なことは「 一人一人に興味を持つ」こと
チームとは? コミュニティとは? リーダーとは? という話があるなかで、印象的だったのは、マネージャーに大切なたった一つのことは何か?という話。
これに対して、
「 一人一人に興味を持つ」こと
というのが、藤村さんのお答えでした。
言葉にすると当たり前のように聞こえてしまうかもしれないけど、この答えはなかなか出てこない。ほんとに一人一人に丁寧に向き合ってるからこその言葉だと感じます。
ここで、具体的にどのようなコミュニケーションをしているか、というので3つ挙げられていました。
- ザツダン
- 情報開示
- くり返し共有
このような一見ムダに思えるようなことが大切。生産性向上、時間短縮ばかりを考えてしまうと、こういうことって、削ぎ落とされてしまっている気がする。まず、一人一人に向き合うことが大切で、それがチームの見えない空気をつくりだしている。
ザツダンは、毎週30分、チームメンバー全員とやっているとか。
人との親密度は、
- 会う回数
- コミュニケーションの頻度
- 何かをいっしょにやる回数
に比例していく。という話はめちゃくちゃ共感です。
コミュニケーションの頻度という意味で、サイボウズさんでは、何でも書いていいよというザツダンできる場を、リアルじゃなくてオンライン上でも作っているとのこと。
ここでは、一見ムダだったり、どうでもいいことでも、やり取りできる。これがあるから、その人の個性や、いま何を感じているか、なども分かるようになってくる。
「仕事」ではなく、「人」を見る
というのも名言でした。
1 on 1でありがちな「何か困ってない?」という質問
よくマネージャーから、「何か困ってない?」と聞かれることがある。そのときに、すごく答えにくいときと、答えやすいときがあると思う。
ここについても藤村さんのご意見が聞けました。
1 on 1でも、冒頭いきなり「何か困ってない?」と聞かれても、答えられない。それって、ぜんぜん相手に対して興味を持っていないということを表している。まずは、その人の今感じていることとかを、マネージャーが興味を持って聞いていくことが大切。
空気感ができてから、1 on 1の最後に「何か困ってない?」と聞くと、思いもよらなかったことが出てくることがあるそうです。
熱量にはムラがあっていい
こうやって一人一人に向き合ってみると、100人100通り。
コミュニティマネージャーとしては、「どうやって熱量を保つか?」というのが、あるあるの課題ですが、
まず大前提として、「一人一人の熱量にはムラがあっていい」ということ。
大切なのは、共通の理想をもっていて、同じ方向を向かっているかどうか。
コミュニティとは、参加も自由、出入りも自由なところ。読むだけのROM専もOK。一人一人で参加の度合いや、熱量にはムラがあっていい。
火起こしをする人や、薪を持ってくる人、うちわで扇ぐ人、固形燃料を持ってくる人、それを応援する人、それぞれがいるので、その「役割」を理解する。
マネージャーは「価値観の番人」
リーダーも、マネージャーも「役割」である、という言葉が何回も出てきました。
サイボウズでは、階級が上とか下とか、偉いとかそういうのではなく、単にリーダーもマネージャーも「役割」である。
その役割のなかで、おもしろかったのは「価値観の番人」であるということ。
昨日ツイートしたなかで、一番反響が多かったのが、この内容でした。
上に貼ったキャンプファイヤーのイラストで言うと、「みんなで火起こしして楽しもう」という共通の目的に対して、それぞれが自由にいろんなことをやる。
たとえば「みんなのために」という共通の価値観があって、それとズレた行動がでてくることがある。そうなったときに、それに気づいて、それとなくそれを調整していく。それができれば、全体としての火が保たれる。
そして、たとえ火が保たれていても、みんなの表情が曇っていたり、空気がよどんていたら、それに気づくことがマネージャーの役割。
そのためには、やっぱり一人一人に興味をもって、接していくことが大切だと思います。
藤村さんは「ルールは基本的に作らない。NGラインはあっていい。」とも言っていて、まさに自由と責任のバランスなんだなと思いました。
みんな自由でいたいと思う。
自分で決める回数が多くなって、決められる範囲を広がていければ、自由は広がるけど、そのぶん責任も広がる。
なんとなく、こんな図を思い描きました。
藤村さんの話は、すごく距離感が近くて、共感できるところがほんとに多かったです。
でも、藤村さんも、いつも試行錯誤中とか。いろいろと試しながら、アップデートされているとのことでした。
本のなかでは、具体的なエピソードとかも載っていて、すぐに使えそうなことがいっぱい載っていました。
すばらしいイベントをありがとうございました。
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