「無意識のバイアス」の緩和は、ジェンダーギャップの解消につながるか?

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。

元ほぼ日の篠田真貴子さんがお話されるイベントに行ってきました。

テーマは、女性のエンパワメントと無意識のバイアスについて。

昨日のブログでは、前編として「なぜ女性が意思決定を持つことが大切なのか?」についいて、書きました。

なぜ女性が意思決定を持つことが大切なのか?

ざっくりまとめますと、

  • 法律、政策、経営方針など未来の社会の重要な意思決定に、女性が関わることが大切。
  • すべての生命の価値は等しい

例として「顔認識AI」などの新しいテクノロジーの開発でも、性別人種バイアスがあり、黒人女性の認識率に問題があるケースがあったとのこと。

日本の状況だと、法律、政策、経営などの重要なポジション、また未来を担うIT分野での女性比率が低い現状があります。2019年のジェンダーギャップ指数では、世界で121位という結果でした。

このジェンダーギャップの裏側に潜んでいる「無意識のバイアス」が、今日のテーマです。

「無意識のバイアス」とは何か?

英語では、アンコンシャス・バイアス(unconscious bias)。

日本語では、「無意識のバイアス」や「無意識の偏見」など、さまざまな言葉で表現されている概念です。

これが、ジェンダーギャップの裏側に、根深く潜んでいる。「無意識のバイアス」の緩和が、ジェンダーギャップの解消につながるそうです。

「無意識のバイアス」とは何か?

アンコンシャス・バイアス研究所のWebから引用します。

実例としてよく知られていることとしては、「男性だから」「女性だから」「理系だから」「文系だから」などといったステレオタイプな決めつけを無意識にしてしまうことがあげられます。

日常でこのようなことはありませんか?

  •  つい、「これまでのやり方」や「前例」に固執してしまう
  •  何をするにしても相手との「上下関係」を意識してしまう
  •  育休取得をする男性社員は、昇格欲が低いと思ってしまう
  •  「普通は●●だ」「たいてい●●だ」という言葉を使うことがある
  •  「男のくせに」や「女のくせに」など思ってしまうことがある
  •  みんながコーヒーを頼むと、つられて「私も」と言ってしまう

このように、わたしたちの脳は、これまでに経験したことや、見聞きしたことに照らし合わせて、あらゆるものを「自分なりに解釈する」という機能を持っています。アンコンシャスバイアスは誰にでもあるもの。あることそのものが悪いということではありません。

問題なのは、気づかないうちに、「決めつけ」たり、「押しつけ」たりしてしまうことです。

—-ここまで引用。

性別役割分担という「無意識のバイアス」

男だから、女だからという性別役割分担について、私たちは「無意識のバイアス」があります。

これは、ざっくり男女とも同じように持っているものという調査結果があるようです。

あえて、この図も男性をブルー、女性をピンクにしてスカートにしています。トイレの標識とかも、こっちの方が男女の区別が分かりやすいからこうなっている。

私の息子はまだ5歳ですが、それでも「男の子はこんな遊びしないよ。これは女の子の遊びだよ。」と言ったりしているのを聞いて、小さい頃からの環境やメディアなどの情報から、「無意識のバイアス」がじょじょに作られていくのだなと感じます。

「女性活躍」と言われていますが、そもそも「女性は家庭」といったバイアスがあるので、人生がトレードオフ。

もちろん、うまく両立されているスーパーウーマンもいますが、一般的には、

  • 勉強ができると、モテない
  • 仕事ができると、モテない
  • 仕事をバリバリやると、家庭は諦めなきゃいけない

というトレードオフは、まだまだある。

「勉強や仕事ができると、モテない」というのは、すごく分かります。モテたいために、わざとテストの点数を低く見せるというのも、あってはならないけど、あると思います。

性別役割分担という「無意識のバイアス」が無かったら、女性首相も生まれているだろうし、女性社長ももっと多いと思います。この「無意識のバイアス」によって阻まれている可能性が閉じないようにしたい。

そして、マクロ的にもジェンダーギャップを解消することが必要なので、そのために「無意識のバイアス」を緩和していきたいと思います。

「無意識のバイアス」の緩和で、目指す理想とは?

外の変革と合わせて、内の変革が大切になる。

性別役割分担という「無意識のバイアス」は、内の変革。

篠田さんのお話を受けて、描いた「目指す理想」のイラスト。

「男だから」「女だから」という無意識のバイアスは、むしろ女性の方が強い。

まずは、この「無意識」を「意識」にすること、バイアスに気づくことが大切。たとえば、仕事をアサインするときなどに、このバイアスを意識して、フラットにアサインするよう心がける。こういう一歩が大切とのこと。

「女性活躍」といった外の変革と合わせて、「無意識のバイアス」の内の変革をする。

それによって、目指す理想の姿は、

  • 就業機会が増える(特に、正規雇用)
  • 男女の賃金差が無くなる
  • 「稼ぐ」⇔「家庭」の役割分担は、男女で数年交替でする
  • 一人ひとりの個性が輝く
  • 重要なポジションに、女性が就く

「無意識のバイアス」に気づくには?

では、どうやって「無意識のバイアス」に気づくことができるのでしょうか?

これは、診断するテストがあるようです。

アメリカで開発されたIAT(Implicit Association Test)はこちらで受けられるようです。

日本では、チェンジウェーブさんが、e-learningツールを開発されています。こちらのページに事例も載っています。
「無意識バイアスは組織に、また個々の働き方にどのような影響を及ぼすのか」 について、受講者のデータがこちらからダウンロードできるのもありがたい。

ジェンダーギャップの解消のために、大切なこと

  • 「無意識のバイアス」に気づく人を増やす
  • 重要なポジションに女性を増やす
  • メディアや教科書などの登場人物での、女性比率を増やす

やはり、これらを実施するにはトップダウンのアプローチが必要になるとも思います。

元カルビーの松本晃さんの記事がおもしろかったので、載せておきます。

“ミスター・ダイバーシティ”松本晃「日本女性はえらくなりたくない」の真っ赤なウソ

記事から引用します。

それから約20年間ダイバーシティの推進をしてきましたが、「管理職に」と声を掛けた女性の中で、断った人は1人もいません。

今の男性社会が前提となったシステムや、経営陣のなかに入りたいと思うか?

と聞かれると、なかなか厳しいと思う女性が多いと思います。

これをトップダウンで変えていくことが求められるし、そういう会社は業績も伸びていく。

「無意識のバイアス」に男女ともに気づき、自分の内なる声に気づくことが大切だな、と改めて感じました。草の根活動も、続けていきたいです。

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