こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
約1ヶ月前に、巨大な台風が日本列島を襲い、各地で被害が出てしまいました。
とても心が痛い出来事なのですが、そんな時にちょっとポップな話題をお許しくださいませ。
その時のことをブログにも書いているのですが、実家と自宅が多摩川近くにあり、実家に住んでいる母親が、私の自宅に避難してきました。
台風と多摩川氾濫の1日今まで生きてきて初めての状況に戸惑いながら、急いで避難してきてもらうように母に言ったのですが、結構マイペースでビックリしました。
私「かなり危険な状況。いつ川が氾濫するか分からないから、早く避難してきて。」
母「分かったわ。準備して向かうね。」
と言ってから、40-50分経ったのに、全然来ない。
私「 まだなの? 何も持ってこなくていいから、ほんとに急いで。」
母「もう家を出るわ。」
と、しびれを切らしそうになっていた所に、ようやく母が避難して来ました。
この避難した時に持ってきたのが、ビールと本でした。(笑)
「そんな準備している時間があるのなら、早く避難してきてよ。」と思ったり。「こんなときにビール?」とか、「この台風のときに『本日は、お日柄もよく』って。」と思ったりしました。
でも、これが母の良いところなんだな、と少し心がホッともしました。
この日は気が気じゃなくて、読み進められなかったのですが、原田マハさんの『本日は、お日柄もよく』 が、すごく良かったです。
こんな前置きで恐縮なのですが、あまりにも衝撃で印象に残る本との出会いだったので、あえて書かせていただきました。
この本は小説になっているのでネタバレしない範囲で、人生の教訓にしたいことを書き留めておきます。
『本日は、お日柄もよく』
Amazonに書いてあるあらすじを引用します。
OL二ノ宮こと葉は、想いをよせていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 20万部突破の、目頭が熱くなるお仕事小説。
何がそんなに良かったのか?
- 「言葉」のチカラを思い知った
- 「スピーチの極意 十箇条」を、ストーリーを通して学べた
- 政治の世界が、身近になった
ざっと振り返ってみると、この3つかなと思います。
「言葉」のチカラを思い知った
この物語の始まりは、結婚式のシーンから、あまり聴衆に響かないスピーチと、聴衆の心をグッと惹きつけるスピーチがある。
後者には、「言葉」のチカラを感じる。
もちろん、その場の場作りなど、「言葉」以外の要素も多くあるのですが、やっぱり「言葉」のチカラは大きい。
スピーチ中の作られた名言もいっぱいあるのですが、そうではない日常の名言にも、ウルウルきました。
こちらのフレーズ。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。
三時間後の君、涙が止まっている。
二十四時間後の君、涙が乾いている。
二日後の君、顔を上げている。
三日後の君、歩きだしている。どうだい?そんなに難しいことじゃないだろ?
だって人間は、そういうふうにできているんだ。止まらない涙は無い。乾かない涙も無い。
顔は下ばかり向いているわけにもいかない。歩き出すために足があるんだよ。君のお父さんとお母さんが君に与えてくれた体を、大切に使いなさい。
そして心は、君自身が育てていくんだ。
おおらかに、暖かく、正義感に満ちた心に育ててやりなさい。
スピーチライターを目指す主人公に向けて、おばあちゃんからの一言。
安定した仕事で幸せになるのもいいけれど、人を感動させ、幸せにする仕事に就けるのはもっといい。
言葉が持つチカラは大きい。
選挙だけじゃない。スピーチだけじゃない。普段の生活においても、言葉が人の心熱くし、行動を後押しする。
「スピーチの極意 十箇条」を、ストーリーを通して学べた
この本に書かれている「スピーチの極意 十箇条」。
- スピーチの目指すところを明確にする
- エピソード、具体例を盛り込んだ原稿を作り、全文暗記すること
- 力を抜き、心静かに平常心で臨むこと
- タイムキーパーを立てること
- トップバッターとして登場するのは極力避けること
- 聴衆が静かになるのを待って始めること
- しっかりと前を向き、左右を向いて、会場全体を見渡しながらかたりかけること
- 言葉はゆっくり、声は腹から出すこと
- 導入部は静かに、徐々に盛り上げ、感動的にしめくくること
- 最後まで、決して泣かないこと
スピーチというと、聴衆を一気に魅了するような力強いスピーチを想像するのですが、むしろ逆のことが書かれている。「心静かに」、そして「導入部は静かに」などは、意外でした。
これを、実際のストーリー(結婚式のスピーチや、政治の演説)から学べるので、腹落ち感があります。
政治の世界が、身近になった
ちょうど、この本を読む直前に、母親アップデートコミュニティのメンバーも、この本をおススメしているのを思い出しました。勝手ながら、おススメコメントを引用します。
政治に疎い私ですが、政治は国民が起点なんだなと。声をあげることが大切なんだなと。気づかされました。本に出てくる言葉も美しいし、はじめの30ページくらいから既に泣けるし、感動の一冊です!
〈本の抜粋として紹介があった一節〉
自分に一番身近な、自分にとって一番大切な人を守りたい。誰もがそう思っている。そして、そうできる世の中を作ることが「世の中をよくする」ってことなんだ。
日本はこんな国ではなかった。利権に走り、他人を踏み台にし、地域は分断され、高齢者がうとまれ、弱者を切り捨て、勝ち組と負け組に分けられ、若者が孤立し、努力が認められない。
この国を、日本をなんとかしたい!
私も政治には疎いのですが、政治をみんなが自分ゴトにして考えることの大切さを、この本で学びました。
「we」で自分ゴトに。
元アメリカ大統領のオバマさんの「Yes, We can」はあまりにも有名です。
スピーチのときに、彼が言い続けたのは「we=私たち」でした。一方、対抗馬であるヒラリーは「I=私」と言い続けたそうです。聴衆は「we」の中に自分も含まれていると感じ取った。これが大切。自分ゴトになった瞬間。
changeから、chanceを。
そして、もう一つのキーワード「c・h・a・n・g・e=チェンジ=変わる」。この「change」の「g」を「c」に変えると、そう「chance=チャンス」になります。
このくだりも、この本のなかで好きなところです。
ありがとうございました。
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