石川善樹 「究極のオフィスとは? 社員のウェルビーイングを高める方法」

こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。

今日は、昨日のブログにつづいて、こちらのイベントのことについて書きたいと思います!

こちらが、昨日のブログです。(ヤッホーブルーイングの井手直行さんのトークセッションより)

ヤッホーブルーイング 井手直行 「最高のチームワークを生み出す方法とは?」

今日書きたいトークセッションのテーマは、こちらです。
「会議でアイデアが出ることは無い」とか、「右脳・左脳の幻想」とか、目からウロコでした。

究極のオフィスはどうつくる? ~社員のウェルビーイングを高める方法~
ゲスト=石川善樹(予防医学研究者・医学博士)
MC=猪熊真理子(OMOYA Inc. 代表)& 横石崇(Tokyo Work Design Weekオーガナイザー)

予防医学研究者の石川善樹さんから、働く環境としてどのような環境が、ウェルビーイングを高めるか、という究極のオフィスづくりについてお話いただきました。

今回のセッションタイトルにあるウェルビーイングとは、

個人またはグループの状態を指す概念である。つまり、あるウェルビーイングが高レベルの時、その状態は良好であることを意味するようになる。「幸福」と意訳されることもある。

国連は、毎年3月20日を「世界幸福デー」と定めています。例年同時期に「世界幸福度報告書(世界幸福度ランキング)」が発表されており、2018年のランキングでは日本は54位という結果でした。

究極のオフィスとは「クリエイティビティを発揮できる所」

まず石川さんから、「究極のオフィス」とは何なのか?について話がありました。

石川さん曰く、 「究極のオフィス」とは 「クリエイティビティを発揮できる所」。 世の中には、工場とかクリエイティビティが要らない場所もある。でも、 これまで人がやってきた単純な作業は、AIに置き換わっていくこともあり、人のクリエイティビティがより大切になってきている。それが発揮できるかどうかが、オフィスづくりのポイントになってくる。

そのうえで、こちらのグラフを見せていただきました。

  • タテ軸に、ひとり⇔みんな
  • ヨコ軸に、Doing(目的あり)⇔ Being(目的なし)

で4象限(4つのパターン)に分けられるとのこと。


タバコ部屋は、オフィスのイノベーションだった

このグラフで言うと、右下の「みんなでBeing」の場所って、なかなかオフィスでは持てないので貴重。

タバコ部屋は、ここに位置するので、オフィスのイノベーションだったんだと気づかれたそうです。1日に数回、5分ずつでも、ここに訪れるということが大切で、今こういうポスト・タバコ部屋の企画をやっているというお話がありました。

「4つのパターン」のバランスが大切

石川さん曰く、この「4つのパターン」のバランスが、クリエイティビティを発揮するには大切とのこと。石川さんは、「Doing」が好き。目的があること、たとえば勝ち負けが分かることや、数字が良くなることが好きなので、意識的に「Being」を取り入れるようにされている。

「明治神宮をよく歩く」というのも、その一つ。さっきのグラフで言うと右上の「ひとりでBeing」。

ちなみに余談ですが、私も明治神宮は好きで、自分の結婚式や子供のお宮参りで訪れた場所。なかなか、ふらっと行くことは無かったけど、石川さんの話を聞いて、「ひとりでBeing」はいいなと思いました。

と思っていたら、ちょうど友達がブログに、こんな素敵な明治神宮の写真をアップしている! この写真を見ているだけでも、不思議と明治神宮の空気感とか伝わってくる! あまりにも良いので、拝借させていただきます。

画像に含まれている可能性があるもの:雲、空、木、植物、屋外、自然
明治神宮・ご利益ありそうな写真!モヤモヤは、あってもいい。 より

クリエイティビティな人の脳「3つの思考モード」

ここで、人の脳について、少し説明がありました。

なんと「右脳と左脳というのは幻想だ」という話があって、ビックリしました。

石川さん曰く、人の脳は「3つの思考モード」があるそうです。

こちらの3種類になります。

  • 直観: アイデアの量をとにかく出すときに活性化する
  • 大局観: 出たアイデアを3つに絞るようなときに使われる
  • 論理: 絞られた3つを「論理的」にひとつに決める

石川さんのVOGUEさんの記事が分かりやすいので、図を引用させていただきます。

VOGUEの記事より

この3つを行き来することが大切で、このなかで一番鍛えるのが難しいのが「大局観」。これを大切にするという意識を持つこと。

会議でアイデアが出ることは無い

ちなみに、

  • 「ひとりで、ぼーっと」は「直観」にあたる
  • 「みんなで、議論」は「論理」にあたる

ということで、つまり「会議でアイデアが出ることは無い」

というショッキングな話もありました。

じゃあ、この大局観を持てるようにするオフィス、環境づくりを、どうすればいいのでしょうか?

「集中ルーム」と「ポスト・タバコ部屋」

さっきの「4つのパターン」の図でいうと、「ひとりでDoing」と「みんなでBeing」は、大局観にあたる。

この大局観のモードに切り替えられる場所やコトが大切になります。

「ひとりでDoing」の「集中ルーム」

この「集中ルーム」の例として、最近話題になっているのが 「Think Lab(シンク・ラボ)」 。

アイウエアブランドとして知られる「JINS」が、2017年12月にオープンした会員制ワーキングスペース。“世界一集中できる環境”を目指してつくられたこの空間には、「音」や「光」、「香り」など、至る所に集中力を高めるための仕掛けが詰め込まれています。

私もこのあいだ行ってみたのですが、すごい空間でした。

Think LabのWebより

石川さんもこのThink Labの設計に関わっているとのことで、神社の参道のような入り口がある。

人が集中に入るためには、ストレス ➜ リラックス ➜ 集中 という流れが良いとのことで、これを設計した作りになっていました。

「みんなでBeing」の「ポスト・タバコ部屋」

いま「ポスト・タバコ部屋」の設計にも関わっているという石川さん。

この設計にヒントを得たのが、歌舞伎町だったとのことで、おもしろい。

滝は5分で飽きるけど、火は飽きない。これは、滝は予測可能(水が流れたら落ちる)けど、火は予測不可能だから、おもしろい、飽きない。このエッセンスを入れる。

歌舞伎町は、T字路になっていて、外から見えない。人は休んでいるのを見られたくないという意識があるので、このエッセンスも入れる。

「ポスト・タバコ部屋」 のポイントになるのは、

  • そこに行くことが、「習慣」になること
  • 動線の「クロスポイント」になること
  • 「来る理由」があること
  • 「飽きない」ポイントがあること: “滝”の発想
  • 「外から見えない」こと : “歌舞伎町”の発想

これを設計に組み込んでいったとのことです。

  • 無料の駄菓子が、来る「習慣」に
  • 動線の「クロスポイント」に部屋を置く
  • 来る人が増えて、話ができるという「来る理由」をつくる
  • 人工の”火”のオブジェを置くことで「飽きない」
  • 「外から見えない」よう仕切りをつくる

最後に、石川さんからアドバイス。

「究極のオフィス」とは、空間づくり。空間は、なかなか試す機会が無いので、意識的に色々と試したほうがいい。

経済産業省が出している「健康経営オフィスレポート」も参考になるかも、ということでご紹介がありました。

すごくおもしろいセッションでした!

ありがとうございました!

記事が気に入ったらシェアお願いします!

2 Comments

竹内啓二

世界では潮流のバイオフィリックデザインを取り入れたthinklab。ワークスタイルと合わせたワークプレイス改革で快適ですよね。私の所属する会社も緑と音と香りで自社をショールーム化し、ワークプレイス改革を推奨しており、実際、今日も朝から快適です。緑視率10〜15%が最適とのエビデンスもあります。ウェルビーイングは大事な要素ですね。

返信する
Natsumi Suzuki

おー、竹内さんのオフィス、緑と音と香りが!想像しただけでも、良い空間!コメントありがとうございますー

返信する

竹内啓二 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください