こんにちは、”朝5時ブログの女” なつみっくすです。
このまえ、こちらのアカツキの朝活イベントに行ってきました。
アカツキと言えば、CEOの塩田元規さんの著書『ハートドリブン』で話題。「わかち合い」を大切にされているので、どのようなイベントをされているのか、興味がありました。
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イベント情報を引用します。
「am:orning(エーモーニング)」とは
各月、水曜の朝に行なっているイベントで、第一線を生きる人たちをゲストに呼び、ハートにイスピレーションをもたらす場です。
エンタメ、文化醸成、組織づくりにつながるあらゆる業界の第1線でクリエイティブに生きるひとたちが、何を見て、何を感じているのか。
人の内面に触れることで自分の内面にノックし、ふと自分の人生を考える。
参加メンバーとゲストのハートに流れる情熱をより身体中にめぐらせるための時間です。
今回このイベントに初めて参加したのですが、こんな居心地の良い空間で、日差しも入ってきて、すごく心が穏やかになりました。
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今回のゲストは、華道家の山崎 繭加さん。
いけばなの叡智をビジネスや人材育成につなげる活動/IKERUを主宰されています。
マッキンゼーから、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS)日本リサーチ・センターに勤め、そして華道家に。
そのキャリアの転身と、「いけばな」をビジネスに活用? という点に興味があり、今回いけばなのライブパフォーマンスも見れることを、楽しみにしていました。
「いけばな」が、なぜビジネスに?
「いけばな」がずっと趣味だったという山崎さん。
ビジネスにしようとは、全く思っていなかったそうです。
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では、なんで「いけばな」がビジネスになったのか?
組織づくりや、人材育成につながったのか?
金融危機があったタイミングに、ハーバード・ビジネス・スクール(HBS) に勤めていた山崎さん。そのあとから、流れが変わってきたそうです。
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Knowing – Doing – Being
それまでは知識をつける「Knowing」に偏っていた。それから、「Doing」と「Being」も重視する教育へと切り替えていく、というのが改革の方針になったそうです。
- Knowing(知識)→ 技
- Doing(実践)→ 体
- Being(価値観、信念)→ 心
ちなみに、ここからHBSの学生が、実地で学ぶフィールドプログラムを取り入れるようになる。そのひとつとして、2012年から、日本の東北地方にHBSの学生を派遣して現地で学ぶ授業「ジャパンIXP」が開催されています。
山崎さんの著書『ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか』が、おもしろかったです。以前ブログにも書きました。
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「オーセンティシティ」と「マインドフルネス」
そのHBSの教育が変わっていく中で、経営学のホットワードも変わっていった。
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- オーセンティシティ(ありのままの自分)
- マインドフルネス(今、ここ)
というのが、2つのホットワードになっていった。
「感性や主観、心のあり方が個人と組織のパフォーマンスに関係する」というのが、話されるようになった。
「いけばな」とビジネスの意外な共通点
この時代の流れから、それまで趣味でされていた「いけばな」とビジネスの意外な共通点を見出したそうです。
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マインドフルネスは、企業研修でも使われるようになって、そこで「瞑想」をするというイメージがあります。
でも、山崎さんにとっては「いけばな」のほうが、今、ここに集中できる。
これに気づいて、チームビルディングや、人材育成、組織づくりという点で、いけばなのワークショップを始めたそうです。
チームで「いけばな」をすると、その花ひとつひとつをどう活かしていくか、チームメンバー同士でコミュニケーションしながら、創り上げていく。
花をいかすだけでなく、チームの人それぞれの感性や個性もいかし合う。
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「いけばな」のライブパフォーマンス
このイベントのなかで、ライブパフォーマンスがありました。
こうやって「いけばな」を見たのが初めてで、おもしろかったです。
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「いけばな」のような伝統的なものだと「師匠の背中を見て学べ」というのが多かったりしますが、山崎さんはそうではなく、説明をすることを大切にされているそうです。
「葉っぱは切っても良いんです」とか「茎が細くて、うまく収まらなかったら、テープでまとめて良いんです」とか。
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花や葉、それぞれの個性が活かされるよう、でも全体として調和があってバランスがとれるように。その”空気”を意識しながら、どんどん形になっていく。
こちらが完成形です。
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「わかちあい」の時間
山崎さんのお話を聞いて、パフォーマンスを見て、それぞれが感じたことを「わかちあい」する時間がありました。
アカツキが大切にされているのが、この「わかちあい」の時間。
私は、「いけばな」と組織づくりや人材育成がこういう共通点があるんだ、というのが驚きで、まさに「ティール組織」を感じたことを共有。
それぞれの存在意義と役割があって、全体として調和がとれるように、それぞれが組織に貢献している。
「いけばなは、この瞬間を楽しむもの。このまま持って帰ることはできない。それが “今、ここに” 意識を集中させることにつながる。」と言ったお話もありました。
こうやって、他の人がどう感じたか?を聞くと、新たな発見があります。
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いくつかおもしろいお話がありました。
-ここに、全く異色の青いバラとかが入ってきても、うまく調和されるか?
個性を活かしながら、チームとしての美しさを考える。
全体としての調和、バランスを見なければいけない。その花の個性が活かされるよう、でもバランスがとれるよう、茎を切って長さを変えたりして、模索する。
どうしたら、その人の個性が活かされるか? 見る、感じることが大切。
-「いけばな」のアートとしてのクオリティを高めるのか? それとも全体の調和を大切にするのか?
「いけばな」をもっと上手くなりたいと思ってやってきて、優劣という考え方に、20年間のなかで苦しんだ時期もある。自分にはそこまでアートの才能が無いと思っている。それよりも、個がどう活かされるか、全体としてのバランスやその空気感を大切にするようになった。
自分の好きなことに対して、自分なりのアプローチや向き合い方を見つけて、新たな価値を見出していく。すごく勇気づけられます。
最後に、山崎さんからメッセージがありました。
いけばなを通じて、今まで気づいてなかったことに気づいて欲しい。
日常のなかにある花から、一輪ざしでも、もっとこうしたら良い、ということを考えるとか。
人に対しても、何かジャッジをする前に、1回受け止めるとか。
すごく居心地の良い空間で、いけばなに触れることができ、新たな気づきをいただけました。ありがとうございました。
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